この記事では、「悪口」と「毒舌」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「悪口」と「毒舌」の違い
「悪口」と「毒舌」、どちらも人や物事に対して「悪く言う」といった意味合いは同じですが、まったく同じ意味ではありませんので混同しないように気をつけてください。
「悪口」は、人を悪く言うこと、またその言葉自体のことですので、悪い意味しかありません。
一方「毒舌」は「手厳しい皮肉」といった意味で、相手の欠点、弱点に対して意地悪く遠回しに非難することを言います。
内容が的確であれば「毒舌家」として人気が出ることもありますが、内容が嘘、思い込みによるものであれば「悪口」となるわけです。
簡単に言えば「悪口は人を悪く言うこと」「皮肉は厳しい言葉で相手の欠点、弱点を言うこと」となります。
「悪口」と「毒舌」の使い方の違い
「悪口」とは、人のことを悪く言うことです。
相手に非があるから言うというよりは、単純に嫉妬や嫌いという感情から言うことが多いでしょう。
例えば、容姿のことを悪く言うのは典型的な「悪口」です。
一方「毒舌」は、相手に非があり、それを遠回しに意地の悪い言い方で非難したり、厳しい言葉、表現をすることです。
例えば誰かを非難する際、遠慮なくずばずばと言いたいことを言う人を「彼女はああ見えて、なかなかの毒舌家だ」「今日も毒舌をふるう」などと使います。
「悪口」と「毒舌」の英語表記の違い
「悪口」は英語では“abuse”と言います。
「罵り」「雑言」といった意味でもあります。
「毒舌」は英語では“a sharp tongue”と言います。
直訳すれば「悪く言うこと」となります。
「悪口」の意味
「悪口」は「わるぐち」「わるくち」「あっこう」などと読み方が複数ありますが、意味は同じです。
「悪口雑言」という言葉の時は「あっこうぞうごん」と読むようにしてください。
「悪口」の意味は、人を悪く言うこと、またその言葉のことです。
相手に非があり悪く言う場合は「非難」「批判」が当てはまります。
「悪口」は相手にとりたてて非がないのに、嫌い、妬ましいといった理由で悪く言うことです。
このような意味ですので「悪口ばかり言う人」「悪口好きな人」は「性格が悪い人」と同じ意味を持ちます。
「悪口」の使い方
「悪口」とは、人のことを悪く言うことです。
例えば、人の見た目、生まれ育ちなど、その人の努力でどうすることもできないことを悪く言うことは「悪口」です。
他に人を笑いものにすること、見下す言い方なども「悪口」となるでしょう。
客観的に意地が悪い言い方、人を傷つけるようなひどい言葉だと感じる場合は「悪口を言っている」「あの人は悪口が多い」などと、使います。
「悪口」を使った例文
・『すぐに悪口を言う人は信用できない』
・『悪口なんかじゃない、全部本当のことだ』
・『妬んで悪口を言っていると思われるから、何も言わない方がいい』
・『お互い悪口を言っているのに、表面上では仲良くしている』
「悪口」の類語
「悪口」の類語は、「悪態」「中傷」「こき下ろす」「バッシング」などがあります。
「悪口」の対義語
「悪口」の対義語は、「称賛」「礼賛」「賛美」などがあります。
「毒舌」の意味
「毒舌」とは、人や物事に対して、厳しい言葉、表現をすること、皮肉を言うことです。
内容的に事実であれば「毒舌」ですが、事実ではない場合は「悪口」となりますので注意してください。
「毒舌」の使い方
「毒舌」とは人に対して、はっきりと厳しい言葉で言う、もしくは手厳しい皮肉を言う時に使います。
またそのような人を「毒舌家」と言いますが、簡単に言えば「意地の悪いことを言う人」「はっきり言い過ぎる人」「言葉がキツイ人」となります。
例えば「彼は性格が悪い」という意味を「彼は毒舌だ」と言い表すこともできます。
しかし、他の人が言いにくいことでもずばずば言う、忖度などしないといった意味で「毒舌」を使う場合もあります。
必ずしも悪い意味で使うわけではありません。
「毒舌」を使った例文
・『彼の毒舌が面白いので、毎週楽しく聴いている』
・『もう会うこともないと、遠慮なく毒舌をふるった』
・『あんな毒舌を言う人と、一緒に飲みに行きたくない』
・『ああいう言葉は毒舌じゃなく、ただの暴言でしょ』
「毒舌」の類語
「毒舌」の類語は、「嫌味」「風刺」「当てこすり」などがあります。
「毒舌」の対義語
「毒舌」の対義語は、「甘言」「お世辞」「ヨイショ」「迎合」などがあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「悪口」と「毒舌」、二つの言葉の意味と違いを説明しました。
どちらも人や物事に対して「悪く言う」という意味は同じです。
「毒舌」には「悪口」という意味も含みますが、それ以外の意味もありますので必ずしも悪い意味合いで使うわけではありません。
それぞれの言葉の意味を正しく理解して使い分けるようにしてください。
