この記事では、「悪戦」と「苦闘」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「悪戦」と「苦闘」の違い
「悪戦」と「苦闘」はどちらも「楽な戦いではなく苦しみながらも戦うこと」を意味していて、通常は「悪戦苦闘(あくせんくとう)」の四字熟語として一まとめにして使われています。
ただし「悪戦」は「自分側にとって不利な苦しい戦い」を意味していて、「苦闘」のほうは「苦しみ・苦難に耐えながら頑張って戦うこと」に意味の重点が置かれている違いがあります。
「悪戦苦闘」の四字熟語も「悪戦」を中心に解釈すると「強敵と非常に苦しい戦いをすること」の意味になり、「苦闘」を中心に解釈すると「苦難・困難に耐えながら努力すること」の意味になります。
「悪戦」と「苦闘」の使い方の違い
「悪戦」と「苦闘」の使い方の違いは、「悪戦」は「自分よりも強く感じられる強敵ととても苦しい戦いをすること」を意味して使われますが、「苦闘」のほうは「困難に耐えて苦しみながらも戦って努力すること」を意味して使われる違いがあります。
例えば、「ハードな育児に苦闘しました」のほうが「悪戦しました」よりも、「つらい困難な状況に耐えて努力した・頑張った」という意味のニュアンスが強くなります。
「悪戦」と「苦闘」の英語表記の違い
「悪戦」を英語で表記すると、以下のようになります。
“hard fighting”(激しい戦い・つらい戦い・悪戦)
“have a hard time”(ハードな時を過ごす・悪戦)
「悪戦」に対して「苦闘」を英語で表記すると、以下のようになります。
“struggle with~”“struggle hard to~”(~と格闘する・~と向き合う・~で苦闘する) “have a difficult time”(困難な時を過ごす・苦闘する)
上記のように、「悪戦」の英語表記は“have a hard time”などで、「苦闘」の英語表記は“struggle with~”などであるという違いを指摘することができます。
「悪戦」の意味
「悪戦(あくせん)」という言葉は、「強敵(格上の相手)との非常に苦しい戦い、楽ではない戦い」を意味しています。
「悪戦」という表現には、「強敵に対抗していて自分側が不利な戦い・不利な状況におけるとても苦しい戦い」といった意味のニュアンスがあります。
「悪戦」の使い方
「悪戦」という言葉は、「強敵を相手にした非常に苦しい戦い」や「自分側に不利な楽ではない戦い」を意味して使うという使い方になります。
例えば、「戦闘を避けられない状況であったため、悪戦することを余儀なくされました」などの文章で使えます。
ただし一般的には「悪戦」という表現だけで使われる事例は少なく、「悪戦苦闘」の四字熟語として使われています。
「悪戦」を使った例文
・『格上の相手との悪戦の結果、私たちは敗れてしまいました』
・『勝利の見込みが薄い悪戦は、できるだけ避けたほうが良いとされます』
・『悪戦であっても、戦わなければならない時には戦うしかありません』
・『どんな悪戦の中にも、勝利の活路を見出すことはできるはずです』
・『業者に頼まずに自分たちでリフォームをして悪戦苦闘しました』
「悪戦」の類語
「悪戦」の類語には、「苦戦・ピンチ・背水の陣・敗北必至(はいぼくひっし)」などがあります。
「苦戦」とは「不利な状況での戦い」、「背水の陣」とは「失敗すれば滅びる決死の覚悟で戦いに臨むこと」を意味しています。
「悪戦」の言葉には、「ピンチに陥った状況での戦い」や「敗北必至の非常に苦しい状況での戦い」といった意味のニュアンスもあります。
その意味から、「悪戦」と類似の意味を持つ類語として、「苦戦・ピンチ・背水の陣・敗北必至」が挙げられます。
「悪戦」の対義語
「悪戦」の対義語には、「楽な戦い・有利な戦い・格下との戦い」などがあります。
「悪戦」と反対の意味を持つのは、「自分側にとって有利な戦い・自分よりも弱いと感じる格下の相手との楽な戦い」を意味している言葉になります。
そのことから、「悪戦」と反対の意味を持つ対義語として、「楽な戦い・有利な戦い・格下との戦い」を挙げることができます。
「苦闘」の意味
「苦闘(くとう)」という言葉は、「苦しみ・苦難に耐えながら戦うこと、頑張ること」を意味しています。
「苦闘」の表現には、「困難・苦難に耐えながら一生懸命に努力すること」や「困難な物事に立ち向かって頑張ること」といった意味のニュアンスがあります。
「苦闘」の使い方
「苦闘」の使い方は、「困難・苦難に耐えながら戦ったり努力したりする場合」や「困難な状況・物事に立ち向かう場合」に使うという使い方になります。
例えば、「ハードな試験勉強と苦闘した結果、合格を勝ち取ることができました」といった文章で使うことができます。
「苦闘」を使った例文
・『レベルの高い問題と苦闘しました』
・『ライバルと苦闘した結果、自分の実力もアップすることになりました』
・『学生時代につらい部活で苦闘した経験は、今の仕事でも役立っています』
・『毎日6時間以上も働きながら大学に通うという苦闘を強いられました』
・『苦闘の末、現在の地位を何とか確立することができたのです』
「苦闘」の類語
「苦闘」の類語には、「苦戦・忍耐・努力・刻苦勉励(こっくべんれい)」などがあります。
「苦戦」とは「不利な状況での苦しい戦い」、「忍耐」とは「つらい物事に我慢して耐えること」を意味している言葉です。
「苦闘」の表現には「困難・苦難に耐えながら努力すること」の意味合いがありますが、「刻苦勉励」の四字熟語は「非常に大変な苦労をしながらも目的に向かって努力すること」を意味しています。
そのことから、「苦闘」と類似の意味を持つ類語として、「苦戦・忍耐・努力・刻苦勉励」が挙げられます。
「苦闘」の対義語
「苦闘」の対義語には、「楽勝・逃避・努力しない・頑張らない」などがあります。
「楽勝」とは「自分側に有利で楽な戦い」、「逃避」とは「困難を避けて逃げること」を意味している言葉です。
「困難に耐えながら努力すること」を示す「苦闘」と反対の意味を持つ表現には、「努力しない・頑張らない」などを考えることができます。
その意味から、「苦闘」と反対の意味を持つ対義語として、「楽勝・逃避・努力しない・頑張らない」を挙げることができます。
まとめ
「悪戦」と「苦闘」の違いを説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「悪戦」と「苦闘」の意味・使い方・英語の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事をチェックしてみてください。