日本語には読み方が同じでも異なる解釈をする同音異義語というものがあります。
例えば「きょうえん」という読み方になる 「競演」と「共演」と「協演」。
これもまた意味が異なる言葉の1つと言ってもいいでしょう。
そこでこの記事では、 「競演」と「共演」と「協演」の違いを分かりやすく説明していきます。
「競演」とは?
「競演」は「どちらの演技が優れちるか優劣をきそうこと」、あるいは「同じか、もしくは非常に似ている劇や役を競争して演じること」という意味を持つ言葉です。
「競演」の例文
「競演」の例文では、どのようなものがあるでしょうか?
・『あの2人は常に競演し合うライバルなんだな』
・『競演することで、2人ともかなり腕を上げてきたんだな』
「共演」とは?
「共演」は「お芝居や映画で主役級の俳優が2人以上いっしょに出演すること」、もしくは「演技を共にすること」という意味があります。
また、コンサートなどの音楽でも「いっしょに演奏すること」を指す場合もあります。
「共演」の例文
「共演」の例文では以下のようなものが見られます。
・『この映画は田中さんと木下さんがダブルの共演が評判を呼んでいます』
・『彼らの共演したハーモニーが見事だ』
「協演」とは
「協演」は「協力して演奏する」「協力しながら演じる」ということを言っています。
「協演」の例文
「協演」の例文は次の通りです。
・『彼が協演してくれたことでストーリー性によりリアル感が増してきたな』
・『この作品は彼女の協演がないとあじけないものになっていたかもしれません』
「競演」と「共演」と「協演」の違い
では、ここで 「競演」と「共演」と「協演」の違いを見ていきましょう。
「競演」は、「演技や演奏の優劣を競うこと」ということを指しており、映画やミュージカルなどのお芝居、もしくはコンサートなどで楽器の演奏・歌唱力・演技の魅力などを競い合うことを言っています。
「競」は「能力やスキル比べ合う」「他の人に勝つために争う」といったようなことを意味しています。
「共演」は「一緒に演じること」というニュアンスを持つ言葉であり、映画や演劇で数人の有名なスターが一紙に出演することやコンサートでも数人の人気歌手やミュージシャンがいっしょに演奏することを指しているのです。
「共演」の「共」は「いっしょに」や「互いに」と言うニュアンスを持っていることから「一緒に演じること」という解釈になります。
「共演」は知名度の高い出演者に対して使われることが多く、主役級の俳優・ミュージシャンなどが同時に出演するという点が特徴でしょう。
「協演」は「協力して演奏すること」、あるいは「協力して出演すること」という意味を持っているのですが、映画・演劇やコンサートなどで使われています。
「メジャーなミュージシャンの協演」などで目にすることが少なくありません。
まとめ
ここまで 「競演」と「共演」と「協演」の違いを見てきましたが、「競」と「共」と「協」という漢字の解釈が大きく言葉の意味を変えています。