「以下」と「未満」と「以上」の違いとは?分かりやすく解釈

「以下」と「未満」と「以上」の違いとは?生活・教育

この記事では、「以下」「未満」「以上」の違いを分かりやすく説明していきます。

「以下」とは?

「以下」という言葉は、多くの人がよく知っている言葉だとは思いますが、「以下」「以」の意味を理解している人はどれほどいるでしょうか。

「以」「以て」と送り仮名をふって「もって」と読みます。

使用例としては「これを以て」などと言い、式典などで「これを以て式を終了いたします」などと使用します。

この使用例から「これを以て」という言葉は、「これ」を含み、「これ」を基準点とし、またそれを含むという意味を持ちます。

これらのことから「以下」という言葉は、何かしらを基準点として、それを含んだ序列的に下のものすべて、という意味を表します。

言葉だけでは伝わりづらいものがあるので具体的に説明すると、1?10の数字の中で「5以下」と言われたら、「1?5」を指しすといことになります。

基準点は5であり、それを含んで序列的に下のものすべてです。


「未満」とは?

「未満」とは「未だ満ちず」と読みます。

「未」という漢字は、中国の漢文の文章を日本語に訳すときに「未だ?ず」と読むことが文法的に決まっているとされています。

意味としては「まだその状態になっていない」「まだその動作をしていない」という意味になります。

この「未」という漢字に「満」という漢字が加わると、冒頭にあげたように「未だ満ちず」と読み「まだ満ちていない」という意味になります。

もう少し詳しく説明するならば、量・高さ・長さなどの数値がある基準点まで達していないことを表します。

先程の例を使用するならば、1?10の数字の中で、「5未満」と言われたら、5を省いてそれより下すべてということになります。

ここで「5未満」を1?4と言わないのはなぜかと言うと、少数の存在があるからです。

「5未満」すなわち「5に満たない数字」ということは、「4. 9」も当てはまりますし「4. 999」も当てはまります。

ここで重要なことは「未満」という言葉には基準点はあるものの、含まれる数値の上限が特定できない点です。

多くの人はこのことをすでに知っているかもしれませんが、念の為使用時には注意をしましょう。


「以上」とは

「以上」とは「以下」という言葉の「下」「上」に変わっただけの熟語になります。

このことから「以上」とは、何かしらを基準点として、それを含んだ序列的に上のものすべてを指します。

今まで使用した例を用いて説明すると、1〜10の数字の中で、「5以上」と言われれば5?10を指すということです。

ここで、考えてみれば当たり前のことですが「以上」「以下」は同時に使用する機会が比較的少ない熟語であることを説明しておきます。

先程の1〜10の例を使って説明すると、「5以上5以下」だと5という数値において重複が起こっているため、5が当てはまる領域が2つあることになってしまいます。

これは何かの集団を2つのグループに分けるときなどに5の数字に該当する人・物がどちらに分類されるかを決定することができません。

また、「5以上4以下」は少数が存在するため、この分け方をした場合「4. 1」「4. 9」などはどちらのグループにも分けられない数値となってしまいます。

このような背景があり、グループを何かしらの数値によって分けるときには「未満」という言葉と使用されることが多いのです。

「以下」と「未満」と「以上」の違い

以上に説明したように、「以下」「未満」「以上」という言葉は、何かしらの基準点を含んでそれより上か下かを分ける「以上」「以下」、何かしらの基準点に満たない数値を表す「未満」に分けることができます。

まとめ

今回扱った言葉は、数学の分野でも多用される記号・用語であり、5以下を「≦5」、5以上を「≧」5、5未満を「<」などと表します。

今回取り上げなかった「>」「より上」と読むことが多いです。

また、英語ではすべての記号に統一的な呼び方が割り振られています。

記号を通して、様々な言語に触れてみるのも良いかもしれません。