この記事では、「籠絡」と「懐柔」と「掌握」の違いを分かりやすく説明していきます。
難しい言葉を、自分のものにしていきましょう。
「籠絡」とは?
籠絡(そうらく)とは、意のままに操ること。
他人の懐に入り込んで、自分のいいようにコントロールすることです。
計算高くて、自分の得ばかり考えているズルい人に使います。
そもそも籠絡の「籠」とは、木で編まれたカゴのこと。
また絡には「まとわりつく・縛る」という、少々こわい訳があります。
そのため「籠絡」で自分の持っている籠に押し込めるように、いいように丸め込めるという意味があります。
調子よくおだてて、自分の味方になってくれるように取り計らうことです。
「懐柔」とは?
懐柔(かいじゅう)とは、優しく甘い言葉をかけて従わせること。
うまい文句を並べて、自分の手下として手なずける様子です。
おもに上の人が下の人に対して、用いる用語になります。
そもそも懐柔の「懐」には「慣れ親しむ」という訳があります。
そして「柔」には「おとなしい・穏やか」という意味が込められています。
馴れ馴れしい態度で接して、相手をだまらせる状況が懐柔になります。
転んでもただでは起きないような、したたかな素ぶりに使います。
「掌握」とは
掌握(しょうあく)とは、コントロールすること。
わがままが許される地位につくことです。
権力者がトップにつき、実質的に下の人たちを支配している場合に用いられています。
そもそも掌握の「掌」とは「手のひら」のこと。
そして「握」には「にぎる・自分のものにする」という訳があります。
そのためある組織において、すべての事項を把握していること。
自分のやりたい放題できる、自由な状況を掌握といいます。
強い影響を持っていること、権力を酷使していることです。
「籠絡」と「懐柔」と「掌握」の違い
「籠絡」と「懐柔」と「掌握」は、とても内容が似ている熟語です。
性質が似ているのですが、落ちついて考えていくと見極めがしやすいです。
まず「籠絡」は策略をねって、他人をうまく手なずけること。
味方を増やしていく動作です。
小悪魔のような、打算的な行動につかいます。
そして懐柔は甘い言葉をささやいて、自分の都合の良いように仕向けること。
都合よく、心変わりさせることです。
そして掌握は、支配下に置くこと。
自由な発言や行動が許される状況に、持っていくことです。
「籠絡」と「懐柔」は計算高くてしたたかな素ぶりに使います。
一方で「掌握」のみ「支配する」という強い意味合いがあります。
「籠絡」と「懐柔」より、語気が激しいのが「掌握」です。
まとめ
「籠絡」と「懐柔」と「掌握」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「籠絡」とは味方になってくれるように、糸を引くことです。
懐柔はうまく言いくるめて、騙すことです。
そして掌握には、ある組織のトップになって支配するという意味があります。
「籠絡」と「懐柔」より、すごみのある表現が「掌握」になります。