この記事では、「同感」と「共感」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「同感」と「共感」の違い
「同感」と「共感」には、どこに重点を置いているかといった違いがあります。
まず、「同感」の場合、自分の意見と相手の意見が同じだという点に重点があります。
一方、「共感」の場合は、相手が持っている喜怒哀楽において、自分も同じように思っている、共有しているといった点に重点があります。
この違いによって、「同感」と「共感」は異なります。
「同感」には、相手の主張や意見に賛成する、物事において、他の人と同じように感じる意味を持ち、「共感」の場合は、相手の気持ちを推測、理解し、感情や情緒を共有する意味を持つのです。
「同感」には、聞き手となる人の価値判断が含まれ、「共感」には、その価値判断は含まれない。
これが、「同感」と「共感」の大きな違いなのです。
「同感」と「共感」の使い方の違い
「同感」と「共感」の使い方の違いとしては、第一に主語が異なります。
「同感」の場合、焦点は自分の気持ちです。
そのため、主語は自分となります。
「同感」するときに伝えている内容は自分の気持ちとなるのです。
一方、「共感」の場合は、焦点は相手の気持ちです。
そのため、主語は相手となります。
「共感」するときに伝えている内容は自分が感じた相手の気持ちを伝えるということになるのです。
このことから、「同感」と「共感」の使い方においては、主語の違い、そして、焦点が誰の気持ちなのかという点と言えます。
「同感」と「共感」の英語表記の違い
「同感」の英語表記は、sympathyです。
同感であるは、sympathize 《with》、feel the same way、share somebody’s feelings. となります。
「共感」の英語表記は、empathy; synesthesiaです。
共感を感じるは、feel sympathy 《for, toward》、sympathize 《with》。
共感を得るは、win [get, gain, 【形式ばった表現】 secure] somebody’s sympathyとなります。
「同感」の意味
「同感」は、自分と同じ考え、意見、価値観の持った相手に対し同意する意味を持ちます。
あなたの意見には同感です。
などといったように相手の主張、訴えに対し賛成していることを意味します。
「同感」の使い方
「同感」の使い方としては、「自分もわかる」といった気持ちを込めて使用するものとなります。
例えば、「その意見には同感です」といったように自分も同じ考えであることを相手に伝えたいときに「同感」という言葉を用います。
「同感」を使った例文
・『あなたの考えには同感です』
・『この本の内容に同感することはできなかった』
・『私の考えにご同感いただけるでしょうか』
・『今回の私の提案では、社内で同感を得ることはできなかった』
・『同感することはできませんが、承諾させていただきます』
「同感」の類語
「同感」の類語として、理解しているといった意味の類語には、呑込む、会釈、わかる、同情、了解、諒解、分る、事解、領会、理解などがあります。
また、親近感や調和といった意味の類語には、同調、共鳴、シンパシー、共感、意気投合、以心伝心などがあります。
「同感」の対義語
「同感」には、明確な対義語はありません。
「共感」の意味
「共感」は、話している相手の気持ちを理解しようとする態度、相手の気持ちに寄り添おうとする態度となります。
あくまでも、「共感」の場合は、相手の主張などにおいて、同じ感情を共有しているという意味があり、賛成や同じ意見であるという意味ではありません。
「共感」の使い方
「共感」の使い方は、相手の気持ちに寄り添うものとなります。
あくまでも、自分の気持ちではなく、相手の気持ちに寄り添う、その使い方が大切です。
使い方としては、「そうそう、そうだよね」などといった気持ちの時に「共感」という使い方がぴったりします。
「共感」を使った例文
・『彼の意見に共感する』
・『コミュニケーションでは、共感力が非常に大切です』
・『日本中で共感を得ることができるような作品を作りたい』
・『友人の話を聞き、共感を覚えた』
・『泣きながら説明する姿が共感を呼んだ』
「共感」の類語
「共感」の類語として、親近感や調和を意味する場合の類語には、同調、共鳴、シンパシー、同感、意気投合、以心伝心などがあります。
「共感」の対義語
「共感」の対義語には、反感、反撥、反発が挙げられます。
まとめ
以上が、「同感」と「共感」の違いとなります。
使い方に迷った際は、何に重点を置いているのか考え使い分けることが必要です。
「同感」は、自分自身も相手の意見に同意をする場合。
「共感」は、相手の意見に寄り添う場合。
この2点が大きな違いとなります。