この記事では、「並びに」と「及び」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「並びに」と「及び」の違い
「並びに」と「及び」はどちらも「AとBのように複数の物事を並べて述べる場合に使う言葉」ですが、「並びに」は「異なるジャンル・レベルの物事を並べて述べる」という意味合いがあります。
「並びに」に対して「及び」の表現は、「同じジャンル・レベルの物事を並べて表現する」という意味の違いがあるのです。
「並びに」と「及び」は「~と~」で基本的に同じ意味なのですが、「並びに」のほうは「及びでつなげた物事とは別の物事を付け足す」というニュアンスが強くなっています。
「並びに」と「及び」の使い方の違い
「並びに」と「及び」の使い方の違いとして、「並びに」は「異なるジャンル(種類)・レベルの事柄を並べて表現する場合」に使うのに対して、「及び」のほうは「同じジャンル(種類)・レベルの事柄を並べて表現する場合」に使うという違いがあります。
また「並びに」は、「及びでつなげた事柄とは別のジャンルの事柄を付け加えたい場合」に使う使い方が多くなっています。
例えば、「ジャケット及びコート、並びに、スカート及びズボンをその日までに用意しておいてください」のような使い分けがされます。
「並びに」と「及び」の英語表記の違い
「並びに」という言い回しを、英語で表記すると以下のようになります。
“A and B”(AとB、A並びにB)
“A or C”(AかB、まとまったジャンルの物事を並べたA、並びに、まとまったジャンルの物事を並べたB)
「及び」という言葉を、英語を用いて表現すると以下のようになります。
“A and B”(AとB、同じ種類の物事を並べる前提でAとB、A及びB)
「並びに」の意味
「並びに(ならびに)」とは、「A並びにB」で「AとB・A、そしてB・~と~」を意味している言葉です。
「並びに」というのは、「前後に二つの異なるレベル(種類)の物事や事柄を並べて表現する時に使われる言葉」なのです。
「並びに」という表現は、「A及びB、並びにC」で「及びで並べたA・Bの物事とは別の種類(ジャンル)の物事Cを並べる」といった意味のニュアンスを持っています。
「並びに」の使い方
「並びに」は、「~と~」で「異なるレベルやジャンル(種別)の複数の物事を並べる場合」に使うという使い方になります。
「並びに」という言葉は、「並べる複数のものの差が大きい場合」に使われやすいのです。
また「並びに」は、「及びを使って並べた複数のものとは異なるジャンル(種類)のものを並べる場合」に使うことが可能な表現です。
「並びに」を使った例文
・『チーズケーキとロールケーキ、並びにレバニラが好きな食べ物です。』
・『サッカー及びバスケ、並びに空手と柔道を学生時代にかじったことがあります。』
・『数学と化学、並びに歴史と倫理・哲学に熱中して学び続けてきました。』
・『試験会場には筆記用具及び定規、並びに受験票を忘れずに持ってきてください。』
・『この農園では、イチゴとぶどう、並びにトマトを育てていてネットショップで直販しています。』
「並びに」の類語
「並びに」の類語は、以下になります。
「また」「あるいは」……二つ以上の事柄を並べて伝える場合に使われる語。
「かつ」……ある物事にもう一つの物事を付け加える場合に使う語。
「さらに」「その上」……ある事柄に追加的に別の事柄を加える時に使われる語。
「そして」……さらに加えて、その上に追加して。
ある物事に付け加える場合に使う言葉。
「並びに」の対義語
「並びに」は「~と~・そして」を意味する言葉なので、意味的にも国語辞典などに記載される「並びに」の対義語はありません。
「及び」の意味
「及び(および)」とは、「A及びB」で「AとB・AあるいはB・~と~」を意味している言葉です。
「及び」というのは、「二つ以上の同じレベル・ジャンル(分類)の物事や事柄を並べて表現する時に使われる表現」なのです。
「及び」の言い回しは、「A及びB」で「同じような種類や似たジャンルの複数の物事を並べる」といった意味のニュアンスを持っています。
「及び」の使い方
「及び」という表現は、「同じ種類・ジャンル・レベルにある二つ以上の物事を並列して述べる場合」に使われます。
「及び」の言葉は、「A及びB」の用法で「(近しいジャンル・レベルにある)AとB」の意味合いで使うという使い方になります。
「及び」を使った例文
・『お菓子及びケーキを我慢してダイエットに励んでいます。』
・『苦手科目である英語及び数学の点数をどこまで上げられるかが鍵になります。』
・『3年A組及び3年C組の男子は、グラウンドに集まってください。』
・『東京本店及び横浜支店において、そのサービスのお申し込みを受け付けています。』
・『店舗及び専用のネットショップで、新型iPhoneの予約をすることができます。』
「及び」の類語
「及び」の類語は、以下になります。
「~と~」……AとBのように、二つの物事(事柄)を並列に並べて表現する場合に使われる語。
「加えて」……ある物事にもう一つ別の物事を付け加える場合に使われる語。
「及び」の対義語
「及び」は「二つ以上の同じジャンルに属する物事を並べて表現するための言葉」であり、その意味と合わせて、国語辞典などに記載されている「及び」の対義語はありません。
まとめ
「並びに」と「及び」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「並びに」と「及び」の意味・使い方・例文・英語の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。