この記事では、「俯瞰」と「客観」と「鳥瞰」の違いを分かりやすく説明していきます。
「俯瞰」とは?
「俯瞰(ふかん)」とは、「状況をよりよく理解できるように、高い場所から全体を見下ろすこと」を意味しています。
「俯瞰」の言葉は、「全体的な配置・状況・趨勢を把握しやすいように、より広い視野で見渡すこと」を示しています。
「俯瞰」は、「物理的な見下ろす行為」にも「比喩的な広い視野で見る意味」にも使うことができます。
「俯瞰」の例文
・『将軍は自分に付き従ってくれる兵士たちを俯瞰して、全軍に響き渡る大声で作戦の指示を出し始めました』
・『マーケットにおける競争状況を俯瞰的に見ることができれば、自社の強みと弱みを自然に理解することもできるでしょう』
「客観」とは?
「客観(きゃっかん)」とは、「主観(私の意識)とは別に実在するモノや事物」を意味しています。
日常的な文脈で「客観」を使用するときには、「客観」は「自分だけの見方・考え方ではなくて、第三者の目線を想定してその目線から見たり考えたりすること」を示しています。
この場合、「客観」は、「自分だけではなく他者一般の立場(目線)から見ても成り立つ共通の認識・存在(事物)」といった意味を持っていることになります。
「客観」という言葉には、「主観的な意識が認識したり言及したりする対象」といった意味合いもあります。
「客観」の例文
・『私の仕事の悩みを客観的に考えると、その解決策はキャリアアップのできる転職をするしかないということになります』
・『誰が見ても疑いなく存在していると確信できる客観のモノが本当に実在するのかどうかは、古代から哲学のテーマになってきました』
「鳥瞰」とは
「鳥瞰(ちょうかん)」とは、「空を飛ぶ鳥の目線を仮定して、高いところから対象・問題を見下ろすこと」を意味しています。
「鳥瞰」という言葉は、「見ようとしている対象の全体像を、広い視野で客観的に見渡すこと」を示しているのです。
「鳥瞰」の例文
・『東京スカイツリーの展望台から、東京都の広い範囲と都会の景観を鳥瞰しました』
・『日本が置かれている東アジアの国際情勢を鳥瞰すると、このままただアメリカに付き従っているだけの外交戦術では限界もあります』
「俯瞰」と「客観」と「鳥瞰」の違い
「俯瞰」と「鳥瞰」はどちらも「高所から状況を見下ろすこと」という同じ意味を持っている類語ですが、「俯瞰」のほうがビジネスや論文などで使われる頻度が多いという違いがあります。
「鳥瞰」は「鳥の目になったつもりで高い場所から全体を見渡す」という「鳥」を用いた比喩的な表現なので、やや使われるシーンが限定されます。
「客観」には「見下ろす」といった意味合いはなく、「第三者が見ても同じように認識・理解ができること」を意味している点が異なっています。
「客観」は「主観的な意識から切り離されて実在する事物・モノ」の哲学的な意味もありますが、「俯瞰・鳥瞰」にはその意味はありません。
まとめ
この記事では、「俯瞰」と「客観」と「鳥瞰」の意味の違いを分かりやすく説明しました。
「俯瞰」と「客観」と「鳥瞰」の意味や使い方の違いを詳しくリサーチしたいときは、この記事の内容をチェックしてみてください。