「冥土」と「地獄」の違いとは?分かりやすく解釈

「冥土」と「地獄」の違い生活・教育

この記事では、「冥土」「地獄」の違いを分かりやすく説明していきます。

「冥土」とは?

冥土とは、めいどという読み方をすべき言葉です。

漢字で書かれたこの言葉を見れば理解出来る事でしょうが、光がないや暗い、暗がりといった意味の冥の漢字に、場所やつち、とちといった意味がある土の漢字を付け足す事で成立した言葉となっています。

だからこそ冥土は、死者の霊魂が行く場所といった意味を表すのです。


「冥土」の使い方

冥土は、仏教における死後の世界を表現する言葉として使われています。

ただし暗闇といった意味がある冥の文字が使用されている事からでも分かる様に、生前に悪い行いをしてしまった人物の魂が行く場所といったニュアンスがあるのです。

悪人の魂は死後、地獄に餓鬼、畜生という3つの暗黒世界に送られるとされていますが、冥土はその3つの世界の総称として使われています。


「地獄」とは?

地獄とは、じごくという読み方をする言葉です。

文字で記されたこの言葉を目にすれば一目瞭然な事ですが、だいちとか一定のとちといった意味を持っている地の文字に、罪人を閉じ込めておく場所や罪人が死後に行く世界といった意味がある獄の文字を付け足す事で完成した言葉となっています。

以上の事から地獄は、この世で悪事を働いていた者が死後に行って苦しみを受ける場所を示すのです。

「地獄」の使い方

地獄は、仏教やキリスト教等で生前罪を犯していた者の魂が送られる場所といった意味で用いられています。

様々な宗教で示される世界観であり、生前の大罪により死後その責め苦を受ける場所という意味になっているのです。

そのため天国という言葉の対義語として使用される事も多く、天国が遙か上空にあると見なされる事が多いのに対し、地獄は地中深くの場所にあるとイメージされたりします。

「冥土」と「地獄」の違い

冥土と地獄の文字表記を見比べてみれば、どちらも違う漢字が使用されている事に気付く事が可能です。

ただし共に、死後の世界に関する意味を持っているため、いざ使い分けを意識すると混同してしまう恐れは十分にあります。

とはいえ使われている漢字の違いにより、表す意味合い自体には違いがあるのです。

まず冥土は、仏教で用いられる言葉で、生前に悪行を働いた者が死後に行く、地獄や餓鬼、畜生という3つの世界の総称として使われる言葉となっています。

一方の地獄は、仏教やキリスト教等の様々な宗教で使用され、この世で悪事を働いた者の魂が送られて、責め苦を受ける所といった意味を示すのです。

「冥土」の例文

・『彼は涙を流しながら、冥土の土産に真実を聞かせてくれと懇願して来た』

「地獄」の例文

・『私は子供の頃に親に虐待され、地獄の様な日々を過ごしていました』

まとめ

2つの言葉は共通する漢字はないものの、共に死後の世界を表す言葉として用いられています。

もっとも使われている文字の違いにより、示す意味にも相違点を見出す事が可能です。

ちなみに冥土は、仏教に用いられる言葉であり、主に生前罪を犯した者が行く三悪道と呼ばれる世界の総称として使われています。

対する地獄はキリスト教を中心に多くの宗教で使用されている言葉で、生前に罪を犯して悔い改めない魂が送り込まれて、責め苦を受ける世界といった意味に用いられるのです。