この記事では、「木偶の坊」と「独活の大木」の違いを分かりやすく説明していきます。
「木偶の坊」とは?
「木偶の坊」は「でくのぼう」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「木でできたあやつり人形」という元の意味で、平安時代から伝わる「傀儡(くぐつ)」という木彫りのあやつり人形のことです。
2つ目は転じて「ぼうっとして役に立たない人」という意味で、まるで木彫りの人形の様にぼんやりして気が利かず、全く役に立たない人のことです。
3つ目も転じて「人のいいなりになって利用されるだけの人」という意味で、あやつり人形の様に感情を持たず、人のいいなりに動くだけの人のことです。
上記に共通するのは「いるだけで役に立たない」という意味です。
「木偶の坊」の使い方
「木偶の坊」は慣用句として「木偶の坊だ・である」などと使われます。
基本的に、日常で使われる場合、ぼんやりして役に立たない人や、人の言いなりになって動くだけの人に使われる言葉です。
人をけなす言葉ですので、使い方に注意しましょう。
「独活の大木」とは?
「独活の大木」は「うどのたいぼく」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「大きな体格をしているのに何の役にも立たない人」という意味で、背が高く立派な体型をしているのに、自分から行動しようとせず役に立たない人のことです。
2つ目は「見かけは立派なのに中身が伴わない人」という意味で、容姿が端麗で着飾っているなど、身なりは立派であるのに、考えが浅はかであったり愚かなことをするなど人としての器がなっていない人のことです。
上記に共通するのは「見掛け倒しで役に立たない」という意味です。
「独活」は、地上に出る前の若い芽を食用としていますが、成長すると食べられなくなります。
また、「独活」は成長しても柔らかく、他に使い道がないことから「大きくて役に立たないもの」のたとえとして使われる様になりました。
「独活の大木」の使い方
「独活の大木」は慣用句として「独活の大木だ・である」などと使われます。
基本的に、大きな体格をしているのに何の役も立たない人のことや、見かけが立派なのに中身が伴わない人に使われる言葉です。
「木偶の坊」と「独活の大木」の違い
「木偶の坊」は「ぼんやりして役に立たない人」「人の言いなりになって動くだけの人」という意味です。
「独活の大木」は「大きな体格をしているのに何の役も立たない人」「見かけが立派なのに中身が伴わない人」という意味です。
「木偶の坊」の例文
・『上司は職場で木偶の坊と呼ばれている』
・『木偶の坊の様な彼氏だが、いざという時に守ってくれる』
・『うちの会社には木偶の坊みたいな人が多い』
・『木偶の坊とののしられたが、意味が分からなかった』
「独活の大木」の例文
・『元ラグビー選手だが今は独活の大木だ』
・『息子の背が伸びたが独活の大木だ』
・『背は高いが独活の大木の様に大人しい亭主』
・『独活の大木と呼ばれていた人が起業した』
まとめ
今回は「木偶の坊」と「独活の大木」について紹介しました。
「木偶の坊」は「役に立たない人」、「独活の大木」は「立派な体格をしていて役に立たない人」と覚えておきましょう。