「漫然」と「漠然」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「漫然」と「漠然」の違い生活・教育

この記事では、「漫然」「漠然」の違いを分かりやすく説明していきます。

「漫然」と「漠然」の違い

「漫然」「漠然」の違いについて紹介します。


「漫然」と「漠然」の使い方の違い

「漫然」「目的や意識がはっきりとしていない様子」に使われます。

何をどうするかはっきりせず、深く考えようともしない様子を言います。

「漠然」「気持ちや内容がはっきりとしていない様子」に使われます。

どの様な意味なのか広がり過ぎてしまいつかみようがない様子を言います。


「漫然」と「漠然」の英語表記の違い

「漫然」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「sit around」で、「その辺で座っている」=「漫然と過ごす」というニュアンスです。

“She is spending her days just sitting around.”
(彼女は毎日を漫然と過ごしている)
2つ目は「hang out」で、「ダラダラする」=「漫然と過ごす」というニュアンスです。

“He is just hanging out most of the time at the office.”
(彼はオフィスでずっとダラダラ過ごしている)
「漠然」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「vague」「あいまいな」「漠然とした」という意味です。

「漠然」と言う場合、こちらを使えばまず間違いのない定番の単語です。

“Her explanation was vague, so I cannot understand.”
(彼女の説明は漠然としていて、私に理解できるものではなかった)
2つ目は「hazy feeling」で、「心の中がモヤモヤする気持ち」「漠然とした感覚」というニュアンスです。

「haze」「霧、もや、霞」という意味で、「hazy」「霞がかった様にぼんやりした」という意味になります。

“I still have a hazy feeling about my future.”
(私は自分の将来についてまだ漠然とした気持ちしかない)

「漫然」の意味

「漫然」「まんぜん」と読み、以下の2つの意味があります。

1つ目は「とりとめのない様子」という意味で、何をどうしたいのかまとまっていない状態を言います。

2つ目は「ぼんやりとして考えていない様子」という意味で、何も意識していない状態を言います。

はっきりとした目的がなかったり、特に何も心に留めることない状態で何らかの行動することを表します。

「漫」「そぞろに」「何となく」という意味、「然」「他の言葉と組み合わせてある状態を表す」という意味、「漫然」「そぞろな状態のこと」になります」

「漫然」の使い方

「漫然」「とりとめのない様子」「ぼんやりとして考えていない様子」に使われます。

「漫然たる〇〇」「漫然と〇〇する」と使われることが多くなります。

日常的に使われる「漫然運転」は、「集中力・注意力が低下した状態で運転すること」という意味です。

ぼんやりと何も考えない状態で、前を見て運転していても他の車や歩行者、信号などを意識していないために、交通事故につながる行為に使われます。

「漫然」を使った例文

・『彼はせっかく一流大学に合格したのに、漫然と日々を暮らしている』
・『遠くまで見渡せる景色の良い場所に座り、漫然と眺めていた』
・『漫然と読書していても何も頭に入らないと思う』
・『このまま漫然と過ごすよりも、資格を取得して転職するべきだと思い立った』
・『プロジェクトを立ち上げた当初は漫然たる状態だった』

「漫然」の類語

「注意力散漫(ちゅういりょくさんまん)」
「ひとつのものごとに注意が定まらず、あれこれと気が散ってしまう様子」という意味です。

「彼は仕事中も注意力散漫で、スマホばかり見ている」などと使われます。

「気の緩み(きのゆるみ)」
「それまであった緊張感がなくなること」という意味です。

「試験が終わって気の緩みが生じたのか、階段から落ちてケガをした」などと使われます。

「漫然」の対義語

「集中(しゅうちゅう)」
「物や気持ちを1か所に集めたり、集まること」「ある作品集や文集の中」という意味です。

「気持ちを集中させてミスのない仕事を心がけよう」などと使われます。

「漠然」の意味

「漠然」「ばくぜん」と読みます。

意味は「ぼんやりとしていてはっきりしない様子」です。

ものごとの内容や、自分の考えなどが、広がり過ぎてしまいはっきりとしない状態を言います。

今の自分の意識がぼんやりしているのではなく、ある考えや内容に対して幅広くてつかみどころがなく、明確に分からない状態を表します。

「漠」「はっきりしない」「とりとめのない」という意味、「漠然」「はっきりしない状態のこと」になります。

「漠然」の使い方

「漠然」「ぼんやりとしていてはっきりしない様子」に使われます。

「漠然とした〇〇」と使われたり、「漠然と」と副詞として使われたりします。

主に会話の内容や説明、自分の考えがあれこれと広がり過ぎてしまい、どう捉えていいのか分からない状態に使われる表現です。

「漠然」を使った例文

・『プレゼンの内容が漠然としていて、何を言いたいのか伝わらなかった』
・『自分の将来については漠然としたイメージしかない』
・『現地での予定に関しては漠然としか考えていなかった』
・『あまりにも漠然とした説明で、賛成も反対も決められなかった』
・『彼女は漠然と婚活するだけで、いざ結婚する覚悟はないように見える』

「漠然」の類語

「曖昧(あいまい)」
「態度や物事がはっきり定まらないこと」という意味です。

「彼女の説明はあいまいな部分が多すぎる」などと使われます。

「あやふや」
「ものごとがはっきりしない様子」「あてにならない様子」という意味です。

「記憶があやふやでよく思い出せない」などと使われます。

「漠然」の対義語

「鮮明(せんめい)」
「他のものと比べてはっきりしていてあざやかな様子」という意味です。

「あの時の感動は鮮明な記憶として残っている」などと使われます。

まとめ

今回は「漫然」「漠然」について紹介しました。

「漫然」「目的や意識がぼんやりしている様子」「漠然」「気持ちや内容が広がり過ぎてつかみようがない様子」と覚えておきましょう。