この記事では、「念う」と「憶う」と「懐う」の違いを分かりやすく説明していきます。
自信のない言葉を、今すぐ学んでいきましょう。
「念う」とは?
念う(おもう)とは、ひしひしと感じること。
心の奥底から、じっくりと物や人を思い浮かべることです。
特別な感情を抱いているときに用いる、重みのある言い回しになります。
念うの「念」には「いつも心の中に浮かんでいるもの」という訳があります。
そのため四六時中考えていること、思い浮かばない日はない心の働きが「念う」です。
しみじみと思いを馳せている感情、何をやっても打ち消せない思いが「念う」です。
「憶う」とは?
憶う(おもう)とは、目の前にない出来事を思い浮かべること。
記憶をひとつずつ整理して、あの時の様子を想像してみることです。
ど忘れしてしまった出来事を、ゆっくり思い返していくこと。
記憶を蘇らせていく行為を「憶う」といいます。
誰かの名前や、すべき用事、買い物する内容など、ふっと忘れてしまったことを思い出そうと努力する気持ちが「憶う」です。
何かを思い出すときに用いています。
「懐う」とは
懐う(おもう)とは、なつかしく感じること。
昔の記憶をたぐり寄せて、心惹かれる様子です。
何年経っても、愛着がわくもの。
良い思い出として残していることを「懐う」といいます。
懐うには「懐」という漢字が含まれています。
懐には「慣れ親しむ」という訳があります。
印象に残っている思い出の1ページをめくっていくこと、過去のエピソードをたぐり寄せて愛おしく思うことが「憶う」です。
昔は良かったと、温かい気持ちになることをあらわしています。
「念う」と「憶う」と「懐う」の違い
それぞれ「おもう」と読みます。
心の動き、感情のひとつをあらわします。
一般的には「思う」と書くので、文学的な表現として用いるのが「念う」と「憶う」と「懐う」になります。
まず「念う」は、印象に残っている人や大切な出来事を思い浮かべること。
恋焦がれているようなシーンで使います。
誰かの幸せを祈ったり、元気にしているか、思う様子です。
そして「憶う」は、忘れてしまった出来事を思い出そうと努力すること。
忘れてしまった事象を、思い浮かべることです。
さらに「懐う」は、なつかしく思うこと。
愛おしいと感じている昔の記憶を、よみがえらせることです。
まとめると「念う」は心に深く感じること。
しみじみ思う様子です。
そして「憶う」は記憶をたぐり寄せること。
思い出そうと努力することです。
さらに「懐う」は、過去をなつかしむこと。
昔の余韻に浸ることです。
まとめ
「念う」と「憶う」と「懐う」の違いを分かりやすくお伝えしました。
いずれも「おもう」と読みます。
「念う」とは、深く感じること。
しみじみと思い浮かべる様子です。
また「憶う」は失念した記憶を思い出すこと。
懐うは、過去をなつかしむ様子です。
色々な表現を知って、文章の達人になっていきましょう。