この記事では、「指図」と「指導」と「指南」の違いを分かりやすく説明していきます。
「指図」とは?
「指図」とは、他の人に言いつけて物事をさせることを言います。
「指示」と同義語でもあります。
また、法律用語での「指図」とは、証券上に記載することで、証券上の権利者が、自分に代る特定の者を権利者として指定する行為のことを言います。
一般的な会話で使われる「指図」なのか、法律用語としての「指図」なのか、区別をつけて考えるようにしましょう。
「その件については、すでに部下に指図してある」「あの人にだけは指図されたくない」「指図債権」「指図証券」などと使います。
「指導」とは?
「指導」とは、ある意図された方向に教え導くことを言います。
また別の意味として、柔道のルールにおいての「指導」があります。
これは、選手が禁止されることを犯した時、審判から受ける宣告のことです。
通常の「指導」とは少し意味合いが違いますので、混同しないようにしましょう。
「彼はボランティアで、水泳の指導をしている」「正しい指導ではなかった」「指導員として失格だ」「(柔道の)決勝戦で攻撃の意志がないと指導をとられた」などと使います。
「指南」とは
「指南」とは、「指南車」が南の方角を示して導くというところから、教え導くこと、手引きとなる物事という意味があります。
「指南車」は、中国古代の、方向指示装置がある車のことです。
歯車仕掛けで、初めに南に向けると、車上の人形の手が、ずっと南を指すというものです。
ただ、羅針盤のように、南の方向を自動で探すという機能はありません。
最初に人が南の方向を設定しなければなりません。
一般的に使われる「指南」とは何かを教えて導くという意味ですので、そのような人のことを「指南役」「指南番」、手引書のことを「指南書」と言い表します。
「彼が指南役についているので油断できない」「指南書は読んだが実際にやると上手くいかない」「ご指南をお願い致します」などと使います。
「指図」と「指導」と「指南」の違い
「指図」と「指導」と「指南」の違いを解説します。
「指図」とは他の人に言いつけて何かをさせることを言います。
「指示」と同義語で、さらに度合いが強まれば「命令」とも言えるでしょう。
また法律用語としての「指図」は少し意味合いが違いますので注意してください。
「指導」と「指南」は概ね、同義語と言えます。
どちらも教え導くという意味は同じです。
ただ「指導」の場合、柔道のルールという別の意味合いがあります。
これは禁止事項を犯した時に審判から受ける宣告のことです。
この意味の場合は「指南」では通じませんので気をつけてください。
ごく簡単に覚えやすくまとめますと「指図は他の人に言いつけてさせる、指示」「指導はある意図された方向に教え導く、柔道で審判から受ける宣告」「指南とは教え導く」となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「指図」と「指導」と「指南」の違いを解説しました。
それぞれの言葉の意味を正しく理解して使い分けていきましょう。