この記事では、「移譲」と「移管」と「委譲」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている三語を、きっちり区別していきましょう。
「移譲」とは?
移譲(いじょう)とは、自分の物を別の人にわたすこと。
譲ってあげることです。
持ち物や財産、建物を他の人に与える行為をあらわしています。
引き渡したり、明け渡したりすることが移譲です。
もともと移譲には「移」という漢字が含まれています。
「移す」には「変わる」という訳があります。
そのため相談をおこない、その持ち主の所有者が変わること。
オーナーが変更されることを移譲といっています。
「移管」とは?
移管(いかん)とは、管理者が変わること。
おもに会社の事業を子会社や別会社に、切り替える場合に使っています。
権利者や実務をおこなう団体が、ほかに移ることを移管と呼んでいます。
移管には「管」が入っています。
「管」には「担当する」という訳があります。
そのため移管で、担当者が変わること。
新しい担当者にバトンタッチするニュアンスがあります。
ある会社が別の会社と協定を結ぶときに用いられています。
円満で平和な雰囲気の語句です。
「委譲」とは
委譲(いじょう)とは、権力のある人が下の人に譲り渡すこと。
信頼している人に、管理を任せることです。
自分ではない他の人に、受け渡すこと。
代わりの担当者にお願いする動作が委譲です。
そもそも委譲には「委」という漢字が含まれています。
委には「自由にやらせる」という意味合いがあります。
そのため内容を伝えて、仕事のすべてを任せること。
ある程度の自由をきかせながら、業務を任せることが委譲です。
「移譲」と「移管」と「委譲」の違い
いずれも「譲る」という語句が含まれているので、同じような言葉に思えます。
ただどのような立場の人へ渡すのかによって、微妙な差があります。
まず移譲は自分と同等の立場の人に、権利などを譲り渡すこと。
上と下の区別のない、対等な関係に対してつかいます。
そして移管は手持ちの事業を、他社や子会社に譲り渡すときに用います。
そして委譲は上の人が下の人に対して、仕事や業務を任せること。
県が市や町に業務を任せるほか、国が県に委託をおこなうときに用いています。
そのため同等の力関係の譲り渡しが、「移譲」と「移管」。
上の立場の人が、下の立場の人に譲り渡すのが委譲になります。
とくに移譲と委譲は、同じ「いじょう」と読めるので、間違って使われることも多いです。
下の人が上の人にお願いすることを「委譲」とは言わないので、気を付けておきましょう。
まとめ
「移譲」と「移管」と「委譲」の違いを分かりやすくお伝えしました。
それぞれ業務を譲るときに用います。
移譲は権限を、ほかに移すこと。
対等な立場の人に与えることです。
そして移管は子会社や他社に、事業を移すこと。
また委譲は上の立場の人が、下の立場の人に仕事を譲り渡して任せることです。
正しく区別していきましょう。