この記事では、「文化」と「価値観」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「文化」と「価値観」の違い
「文化」とは、人間が作りあげてきた精神的・物質的な成果の総体です。
特に哲学・宗教・学問・芸術などの精神的活動や、それによって作り出されたものを意味します。
「価値観」とは、物事を評価する際の基準で、物事の何に価値をおくのかという判断です。
2つの言葉は、意味しているものが全く違います。
「文化」は精神的活動やそれによって作り出されたものです。
日本には、書道、茶道、浮世絵、着物など、さまざまな「文化」があります。
「価値観」は、物事を判断するときに何を大切にするのかと言い換えることができます。
夫婦にとって愛が最も大切だと考える人もいれば、お金が最も大切だと考える人もいます。
こういったことが「価値観」です。
「文化」と「価値観」の使い方の違い
「文化」とは、広義の意味では、人間がこれまで作りあげてきた成果の総体で、狭義の意味では、哲学・宗教・学問・芸術などの精神活動や、それによって作りだされたもののことで、狭義の意味で使われることが多いです。
「価値観」は、物事を判断する基準で何に価値をおくのかということを意味したいときに使用します。
「文化」と「価値観」の英語表記の違い
「文化」は英語で“culture”と表現をします。
「価値観」は英語で“values”と表現をします。
「文化」の意味
「文化」とは、人間がこれまで作りあげてきた、精神的・物質的なものの成果の総体です。
特に、哲学・宗教・学問・芸術などの精神的活動や、精神的活動によって作られたもののことをいいます。
「文化」は長い年月によって作りあげられてきたものが多く、国によって異なります。
日本の「文化」には、着物、手ぬぐい、風呂敷、十二単、日本茶などがあります。
海外では、挨拶をするときに握手やハグをする、食事は左手を使わず必ず右手などの文化があります。
着物や手ぬぐいは物質的なもので、握手やハグなどは非物質的なものです。
有形・無形を問わず、人間が作り上げてきたものが文化です。
「文化」の使い方
人間がこれまでに作りあげてきた、精神的・物質的なものが「文化」ですが、特に精神的活動やそれによって作り出されたものを指して「文化」という言葉が使用されています。
特定の国の「文化」を指して、「日本文化」「イタリア文化」などといいます。
また、「文化会館」「文化財団」「文化遺産」のような使い方もします。
「文化」を使った例文
・『日本の文化を広める活動をしています』
・『海外の文化について調べる』
・『お互いの国の文化を理解する』
・『独自の文化がみられる』
・『文化を研究している学生』
「文化」の類語
「文明」が類語です。
人間の知能が進んで、技術が進歩して、生活が便利になることという意味があります。
「文化」は精神的活動やそれによって作られたものに重きを置いていますが、「文明」は経済や技術の進歩に重きを置いています。
「文化」の対義語
ピッタリな対義語はありませんが、「文化」は人間が進歩することで作られてきたものなので、十分に進化・発展していないさまという意味で「原始的」が対義語になります。
「価値観」の意味
「価値観」とは、物事を評価するときの基準で、何に価値をおくのかという判断です。
価値観は人によって異なり、また国や地域によって価値観に特徴がみられます。
日本人は、和の精神を大切にする、思いやりを持つなどに価値観をおく傾向があるといわれています。
日本人全体でみるとこのような傾向がありますが、個々の人をみると和の精神なんて関係ないという人もいます。
「価値観」の使い方
物事を評価する際の基準に、何に価値を認めるのかということについて使用します。
恋人や夫婦の間では「価値観の不一致」という言葉が使用されることがあります。
「価値観の不一致」とは、お互いが価値を認めるものが違うという意味です。
妻は家庭生活を大切にしたいけれど、夫は仕事を大切にしたいといった場合、お互いの価値を認めるものが違っています。
「価値観」を使った例文
・『結婚するなら価値観が同じ人がいい』
・『ママ友の価値観が理解できない』
・『価値観が共通する部分が多い』
・『これまでの価値観が変わった』
・『お互いの価値観を認める』
「価値観」の類語
「観念」が類語です。
物事に対して持つ考えという意味があります。
「価値」の類語が「値打ち」で、「値打ち」には品物の値段の意味がありますが、「価値観」は値段のことではないので、「値打ち」は類語にはなりません。
「価値観」の対義語
対義語はありません。
まとめ
「文化」は人間がこれまでに作りあげてきたもの、「価値観」は判断基準のことです。
意味がまったく違う言葉です。
使われる場面も違います。