古代の日本で使われていた地方区分に「五畿七道」というものがあります。
畿内の5つの国と、東海道、山陽道、山陰道などが定義されていました。
そのうちの2つは今も「山陽地方」と「山陰地方」という地方区分の名前として残っています。
これらはどの地方を表しているのでしょうか。
また、「中国地方」とはどう違うのでしょうか。
この記事では、「中国地方」と「山陰地方」と「山陽地方」の違いを分かりやすく説明していきます。
「中国地方」とは?
「中国地方」とは、本州の西の端にある5県が含まれる地方の意味で、たくさんある日本の地域区分の中の「八地方区分」の一つです。
含まれるのは岡山県、広島県、山口県、鳥取県、島根県です。
西の端なのに、なぜ「中国」と呼ばれるのかに関しては諸説ありますが、畿内が日本の中心であった古代に、他の地方を畿内からの距離によって「近国」、「中国」、「遠国」と呼んでおり、その中の「中国」がこの辺りであったというのが有力です。
ちなみに気象庁で用いられている「11区分」での「中国」に、山口県は含まれません。
「山陰地方」とは?
「山陰地方」とは、前述の「中国地方」のうち、鳥取県と島根県が含まれる地方区分です。
この名称は、「陰」が「影」であり、陽が当たらない「山の北側」を表すことからきています。
このとき、山というのは中国山脈のことになります。
この2県は日本海に面しているので、他の日本海側の県と同様に雨が多い気候です。
「山陽地方」とは?
「山陰地方」とは、前述の「中国地方」のうち、岡山県、広島県、山口県の3県が含まれる地方区分です。
この名称は、「陽」に「陽が当たる方」という意味があるので、「山の南側」ということからきていると言われています。
瀬戸内海に面しているので、瀬戸内海式気候と呼ばれ、夏は暑く、山間部では豪雪地帯もあります。
岡山県が「晴れの国」と呼ばれているように、雨が少ない地方でもあります。
岡山市と広島市という2つの政令指定都市を有しています。
「中国地方」と「山陰地方」と「山陽地方」の違い
「中国地方」と「山陰地方」と「山陽地方」の違いを、分かりやすく解説します。
これらは日本の区分のひとつで、本州の西の端に位置する地方のことを表すものですが、それぞれ定義が違います。
まず、「山陽地方」とは、岡山県、広島県、山口県の3県で、「山陰地方」は、鳥取県、島根県の2県です。
そして、「山陽地方」と「山陰地方」を合わせたのが「中国地方」ということになります。
まとめ
この記事では、「中国地方」と「山陰地方」と「山陽地方」の違いを説明してきました。
序文で説明した「五畿七道」の「五畿」は大和、山城、摂津、河内、和泉であり、全てがいまの関西地方にあります。
つまり、当時の日本の中心はこの辺りにあったということです。
現在の東京は東の各国と日本の中心であった畿内を結ぶ「東海道」の通り道でしかなかったということです。