「移行」と「移管」と「変更」の違いとは?分かりやすく解釈

「移行」と「移管」と「変更」の違いとは?生活・教育

「移行」「移管」「変更」、それぞれが物事の変化に関する言葉ですが、三者は微妙にニュアンスが違います。

「移行」「移管」「変更」の違いを分かりやすく解釈します。

「移行」とは?

「移行」とはある状態から別の状態に移っていくことを表現する言葉です。

物事が移り変わっていく様子を表し、別の場所に移すことにも用いられます。

名詞では「移行」、動詞では「移行する」「移行せよ」などと使います。

近年よく使われる例として、データの「移行」が挙げられますが、これは携帯電話などから内部データを別の媒体に移すことを意味します。

うつりゆき、うつりゆくとも読み、源氏物語や万葉集などの古典文学によく見られる表現でもあります。

「移行」「移り行き」も同じ意味を表しますが、後者は抒情的表現に使われる場合が多く、現代用語では余り用いません。


「移行」の例文

・『現在のフェーズが終了次第、速やかに次のフェーズに「移行」せよ。』

・『彼の意識は技術者よりも経営者へと「移行」したようです。』

・『終戦後、日本は軍国主義から真の民主主義国家への移行を実現した。』


「移管」とは?

「移管」とは管理、管轄を他へ移すことを指します。

管理する対象が別に移動する、との意味になります。

何らかの権利が他へ移る場合も同様に使われています。

官公庁、企業などで業務が移動する際のビジネス用語としてよく利用される単語です。

権利の譲渡を表す言葉ですから、法律文書にも頻繁に使われます。

「移管」の例文

・『この区域の寺社運営は、再来年より県から離れ、市に移管します。』

・『A社の業務は他社に「移管」されて継続するらしい。』

・『今後はB社から「移管」されてきた仕事を担当する。』

「変更」とは

「変更」とは決められた物事を変えることを意味します。

一定のルールの下に定まっていたものを、変えて改めるときの表現として広く使われます。

同じ意味で「変改」という言葉がありますが、こちらは一般的ではありません。

名詞では「変更」、動詞では「変更する」と表記して用います。

「変更」の例文

・『今度の計画は予算不足により、「変更」を余儀なくされた』 ・『こちらの都合で大変申し訳ないのですが、予約を「変更」させて頂きたいのです。』

・『運動会の日程が「変更」になったと確かに伝えていた。』

「移行」と「移管」と「変更」の違い

「移行」は物事が移り変わっていくこと、「移管」は物事の管理が変わっていくことを表すので、両者は明らかな意味の違いがあります。

「変更」「移行」「移管」と比較すると更に広い意味で物事を変えることを意味します。

まとめ

「移行」「移管」は物事や物事の管理が変わっていく言葉ですが、主にビジネス用語として使われます。

「変更」は物事を変えることを意味する言葉ですが、「移行」「移管」よりも広い意味で使われるので、私文書ではこちらを多く用いるようになるでしょう。