外国との関わりを意味する言葉として「外交」と「貿易」と「国交」があります。
ニュースなどでもよく耳にする言葉ですが具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「外交」と「貿易」と「国交」の違いについて解説します。
「外交」とは?
「外交」とは、「国家によって行われる外国との交流」を意味する言葉です。
国家運営において外国との関わりは最需要事項のひとつです。
物品や人員を取引したり取り決めを結んだり国境を争ったりなど、いいことも悪いことも含めて外国と関わりを持たずに国家を運営していくことは不可能です。
「国家運営において避けがたい外国との関係のために行われる交際」を指して「外交」と表現します。
一般的には話し合いや交渉のことを指しますが、広義では国家によって行われる外国との関わりは全て「外交」に含まれます。
「外交」はその国の政権によって行われるのが基本です。
国家としての決定権を背景に行われる交渉や取り決めが「外交」であり、日本では専門機関として外務省が設置されトップに立つ外務大臣が責任と実務を引き受けます。
「外交」の例文
・『内政の評価は低いが外交の評価は高い総理大臣』
・『外交努力を怠ったせいで世界的に孤立を深めてしまった』
「貿易」とは?
「貿易」とは、「異国感で行われる商取引」を意味する言葉です。
「外国相手に財やサービスを売ったり買ったりする行為」を「貿易」といいます。
他国に物品を売ることを「輸出」他国から物品を買うことを「輸入」といいますが、輸出と輸入を合わせた一連の商取引が「貿易」です。
一般的に「貿易」という場合は「違う国同士で行われる商取引」を指します。
外国とは商取引に関する法律や商慣習が異なるだけでなく使用される通貨も異なるため国内取引とはまったく別の取引手腕が必要になります。
「貿易」に関しては各国が独自のルールを制定しておりルールを守らなければ取引は認められません。
取り扱い数量や安全基準の他に「貿易」に対して加算される税金として「関税」が課せられます。
「貿易」の例文
・『貿易で大きな富を築き上げる』
・『外国に中古車を輸出する貿易を始める』
「国交」とは
「国交」とは、「国同士の交流」を意味する言葉です。
「国交」が意味するのは「国と国との公式な付き合い」です。
主権国家が別の主権国家の存在を認め対等な立場で交際するのが「国交」であり、一般的にはそれぞれの国への大使の派遣と大使館の設置をもって「国交」が成立しているとみなされます。
「国交」には「国家主権による公式な交際」という意味合いが含まれているので民間レベルで交流があっても国として公式に相手国と交流していない場合は「国交」関係が樹立しているとみなされません。
「国交」の例文
・『関係悪化に伴い国交断絶が検討されている』
・『国交のない国との交渉は第三国を挟んで行われる』
「外交」と「貿易」と「国交」の違い
「外交」が政府によって行われる交渉や交際を指すのに対し「国交」はその基礎となる国同士の承認関係を指します。
「外交」と「国交」は政府や国家主権など公的な存在が主体となるのに対し「貿易」は外国と取引を行う民間企業を主体とする言葉です。
まとめ
「外交」と「貿易」と「国交」はどれも外国との関わりを表す言葉ですが意味合いはそれぞれ異なります。
どのような活動を意味するのかに注意して使い分けてください。