「過小」と「過少」と「寡少」はどれも「かしょう」と読む言葉ですが、それぞれ異なる意味を持っているため状況に応じて使い分ける必要があります。
この記事では、「過小」と「過少」と「寡少」の違いを分かりやすく説明していきます。
「過小」とは?
「過小」は、「一定の基準や範囲を超えること」を示す「過」と「小さい」を示す「小」が組み合わさった熟語で、「小さすぎることやその様子」もしくは「程度が小さすぎて実際の状況にそぐわない様子」といった意味があります。
「過小」の例文
「過小」は「特定の物事の程度が必要以上もしくは実際の状況よりも小さすぎる」ことを表現する際に使用します。
「過小な~」や「過小に見積もる」などの使い方があるほか、「過小見積」や「過小評価」といった連語的な言い回しもあります。
・『予算を過小に見積もってしまったがために、大幅な予算修整が必要になった』
・『彼は華奢で体力がないため過小評価されがちだが、実は人並外れた将棋の才覚を持っている』
「過少」とは?
「過少」は、「一定の基準や範囲を超えること」を指す「過」と「少ない」を指す「少」から成る熟語で、「少なすぎることやその様子」を意味します。
特に「数」や「量」、「金額」などが基準よりも少ない際に用いられています。
「過少」の例文
「過少」は特定の「数」や「量」もしくは「お金の金額」などが「基準よりも少なすぎる」場合に使用され、「過少な~」や「過少に申告する」といった用法があります。
また、「過少申告」や「過少資本」など連語として使われるケースもあります。
・『出身地の田舎はのどかで良いところだが、年々人口が過小なエリアになりつつある』
・『税金を過少申告してしまったので、期限までに訂正して再申告しなければならない』
「寡少」とは
「寡少」は、「勢いなどが少ないこと」を示す「寡」と「少ない」を示す「少」から構成される熟語で、「あるものの数が非常に少ないことやその様子」、「少なすぎてほんの僅かしかないことやその様子」を意味します。
「寡少」の例文
「寡少」は「特定のものの数が極めて少ない」、「少なすぎて僅かしか存在しない」状況で使用され、「寡少な~」や「寡少の~」、「寡少である」といった使われ方をしています。
・『寡少な人員で最後までよく健闘した』
・『敵側の勢力が寡少であると評価する』
「過小」と「過少」と「寡少」の違い
「過小」と「過少」と「寡少」は読み方が同じで字面も似ていますが、各々が持つ意味に大きな違いがあります。
「過小」は「程度が小さすぎること」を指すのに対し、「過少」は「数量や数値などが少なすぎること」を表します。
一方、「寡少」の場合は、数が極めて少ないがために「ほんの僅かしかない」という意味合いがあります。
まとめ
「過小」と「過少」と「寡少」は読み方が同じですが、詳細な意味合いに違いがあることが分かります。
三つの言葉の意味や使い方を学ぶことで、適切に使い分けられるようになるでしょう。
ぜひ国語力向上の参考にしてください。
