この記事では、「妥当性」と「正当性」と「正統性」の違いを分かりやすく説明していきます。
同じように見える言葉を、学んでいきましょう。
「妥当性」とは?
妥当性(だとうせい)とは、きちんとした判断が行われているのかということ。
誰が見てもすんなり理解できる、正しい処置になっているかどうかです。
ある事件や出来事について、理にかなった措置が取れているかどうか見極めるケースで使われます。
そもそも「妥当性」の妥当には「適切である」という訳があります。
その場にあった、文句のない判断を「妥当性」といっています。
裁判などの司法の場で、妥当性があるかないか、突き詰めるシーンで用いられています。
「正当性」とは?
正当性(せいとうせい)とは、人として正しい道筋を踏んでいるかどうかということ。
よその人が見て信頼のおける、正しい手順を踏んでいるかどうかです。
世間や世界のルールと照らし合わせてみて、横道に外れていないか確認するときに使われています。
外交など政治の場で、よく利用される言葉です。
そもそも「正当性」の正当には「まじめ・正直」という訳があります。
つまり自分の利益ばかり求めず、正しい行動をすることが「正当」です。
正当性はその国の制度やあり方、体質を見定めるシーンで使われています。
「正統性」とは
正統性(せいとうせい)は、政治で使われている言葉。
ある権力者が支配している事実が、絶対的に正しいと周囲に知らしめることです。
地位や血筋に間違いがなく、その政治が揺らぎのないものであることを伝える内容になります。
もともと「正統」には「家系・血筋」という訳があります。
そのため、やんごとなき身分であること、トップの座に君臨していることが「正しい」と断言することが正統性です。
「妥当性」と「正当性」と「正統性」の違い
「妥当性」と「正当性」と「正統性」は、同じような三語のため判断が難しいです。
ただグループ分けするのなら、性格がよく似ているのは「妥当性」と「正当性」。
「正統性」は社会主義国家でよく使われる、やや特殊な語句になります。
「妥当性」は正しい処置や取り扱いがなされていたかどうかです。
他の問題と見比べたとき、おかしな扱いになっていないか確認する場合に使われています。
そして正当性は、人として道理にかなった清い行いをしているかということ。
社会通念上、間違いのない判断をしているかどうか、確認するときに利用します。
よく似た「正統性」は権力者が、自分の立場を肯定するときに使っています。
まとめ
「妥当性」と「正当性」と「正統性」の違いを分かりやすくお伝えしました。
妥当性とは、正しい処置がとられているかどうかということ。
正当性は当たり前の倫理や秩序が、守られているかどうかに着眼したものです。
正統性は代々続いてきた世襲制度が正しいこと、支配者が自分の立場を主張するときに用いる言葉になっています。
知識を増やしていきましょう。