取引先に品物を納入する時には、一般的には検収作業が行われ、問題ない場合には納入されて代金が支払われます。
検収作業は、品物のタイプや量によって変わってきますが、行われるのは数、種類が発注したものと同じであることと、サンプリングでの品質のチェックです。
さて、ここで使用した「検収」というのは無意識に使っているような言葉ですが、正確な意味は何でしょうか。
また、同じような言葉である「監査」や「検査」とどう違うのでしょうか。
この記事では、「検査」と「監査」と「検収の違いを分かりやすく説明していきます。
「検査」とは?
「検査」とは、一般的な意味で「何かを調べる」ということです。
さまざまなシチェーションで使用されるので、対象や内容等に制限はありません。
「自動車が日本の行動を走るための要件を満たしているかの検査(車検と言います)」のような複雑なものもあれば「朝出かける前の持ち物検査」のように簡単なものまであります。
通常は、「検査」する目的が重要で、結果をどう扱うかはその目的によって変わってきます。
「監査」とは?
「監査」とは、「監」が「よく見る」ことで、「査」が「調べる」ことなので、合わせて「よく見て調べる」という意味になります。
しかし、この言葉は調べる対象と目的を限定する言葉なので、対象は主に「企業活動」であり、目的は「法令やその他のルールに従っているかの検査」になります。
別の言い方をすれば「コンプライアンスのチェック」です。
「検収」とは?
「検収」とは、文字通り「検査して収める」ことです。
この言葉も対象と目的を限定するので、対象が「品物やサービス」であり、目的は「それが正しいものであるかの検査です。
「検査」と「監査」と「検収」の違い
「検査」と「監査」と「検収」の違いを、分かりやすく解説します。
これらはなんとなく混同される場合もありますが、元々は使われるシチュエーションも意味も違う言葉です。
今回は3つの言葉の英語訳を並べてみることで、違いを明確にしましょう。
「検査」、「監査」、「検収」は英語では「check」、「acceptance inspection」、「audit」です。
つまり、「検査」は極めて一般的な言葉である「チェック」と同じで、何に対しても使える言葉であり、「監査」は「ルールを守っているかの審査」であり、「検収」は「受け入れ時のチェック」ということになります。
まとめ
この記事では、「検査」と「監査」と「検収」の違いを説明してきました。
序文で述べた検収作業の件ですが、人や業界によっては「納品チェック」とか「検品」のように違う言葉を使っていることもあります。
このくらいの違いなら問題はないでしょうが、例えば「アサップでお願いします」と言われてなんのことか分からなかったという話も聞きます。
「アサップ」とは、「ASAP」のことで、英語で「as soon as possible」、つまり「できるだけ迅速に」という意味なのですが、「エーエスエーピー」と発音する場合の方が多いので、「アサップ」を全く別の言葉だと思うのも無理はないでしょう。
コミュニケーションには共通言語が必要だという良い例です。