「合憲」と「違憲」の違いとは?分かりやすく解釈

「合憲」と「違憲」の違い生活・教育

この記事では、「合憲」「違憲」の違いを分かりやすく説明していきます。

「合憲」とは?

「合憲」とは、「ごうけん」と読み、国の法令や条例、行為が、国の定める憲法に則った法令や行為である事を指す言葉です。

日本をはじめとする立憲主義国家は、全ての法令について「合憲」でなくてはなりません。

日本では憲法第10章に憲法が最高法規であると定められており、制定される法令等は必ず憲法の規定を厳守し違反してはなりません。

法令が「合憲」でない場合、その法令は「違憲」となり無効となります。

日本では最終判断を最高裁判所が行う事を憲法81条で規定されています。


「違憲」とは?

「違憲」とは、「いけん」と読み、「憲法違反」とも呼ばれています。

日本のような立憲主義の国家では、憲法の存在が絶対的であり、必ずその憲法の規定を違反していない法令を制定しなければなりません。

この憲法に法令や条例などが憲法の規定に違反している事を「違憲」と言います。

その判断をするのは司法の場であり、最終的な判断をするのは最高裁判所です。

最高裁判所が「違憲」であると判断した場合には、憲法第98条1項により、その法令は無効とされます。


「合憲」と「違憲」の違い

「合憲」「違憲」は共に対義語で、正反対の意味を持っている言葉です。

上述したように、立憲主義の国家では憲法が最高法規であり、法令や条例などを制定する場合は、この憲法の規定を順守し、違反してはなりません。

度々、法令や条例等が「憲法に違反しているのではないか」として裁判所に裁定を求める訴訟が行われます。

その際に最終決定するのは最高裁判所ですが、対象の法令や条例等が憲法に違反していないと判断された場合「合憲」、憲法に違反していると判断された場合は「違憲」となります。

「合憲」の例文

・『夫婦別姓を認めないという民法の規定は、合憲であると判断された』
・『すべての法令や条例等は、憲法の規定に沿った合憲でなければならない』

「違憲」の例文

・『自衛隊は違憲であるとの主張は、私は賛同する事はできない』
・『国政選挙が行われると、しばし1票の格差の問題で選挙が違憲であるかどうか裁判で争われる』

まとめ

日本では法令や条例等が制定される場合、必ず憲法を守った「合憲」の必要があります。

憲法に違反している「違憲」状態であると裁判所が判断した場合は、対象の法令や条例は無効と判断されます。

このように「合憲」「違憲」は対義語であり、対となっている言葉です。

過去には様々な法令や条例、行為が、「合憲」であるか「違憲」であるかが裁判所で問われています。

最近では夫婦同姓の規定は「合憲」であると最高裁判所が決定した事も記憶に新しいでしょう。

このように、法令や条例や行為等が、「合憲」であるか「違憲」であるかの判断は、法令自体を否定する可能性のある重要な裁判で、国民の注目度も高いと言えます。