この記事では、「仮装 」と「扮装」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「仮装」と「扮装」の違い
人が変身するといった意味では同じとなる「仮装」と「扮装」。
しかし、細かく言えば、その内容は違ってきます。
「仮装」は、仮に姿になるため、普段とは違った衣装などを用いることを意味し、「扮装」は、俳優が決まった役柄に合わせた装いをすることを意味します。
すなわち、「仮装」の場合は、別人のように見た目で変わることを意味し、「扮装」には、自分とは別人を演じるといった意味が加わります。
この違いが大きな違いとなる「仮装」と「扮装」。
では、より詳しく、「仮装」と「扮装」の違いについてご説明させて頂きます。
「仮装」と「扮装」の使い方の違い
「仮装」と「扮装」の使い方の違いとしては、その目的においての使い分けが必要となります。
例えば、イベントになどに自分以外のものに変身して参加する場合は「仮装」。
この場合、見た目だけの変身となります。
魔女に仮装したからと言って、魔女になりきる必要は、この「仮装」にはありません。
一方、そのものになりきる、俳優が役柄に合わせた装いをするといった意味を持つ「扮装」の場合、見た目だけではなく、しぐさや言葉遣いも、変身したそのものになりきる必要があります。
魔女に扮装したのであれば、しぐさや言葉遣いも魔女になりきる必要があるのです。
これが、「仮装」と「扮装」の使い方の違いとなります。
「仮装」と「扮装」の英語表記の違い
「仮装」の英語表記は、(a) disguise、(a) fancy dressです。
「仮装する」は、disguise oneself 《as》、be disguised 《as》. 「仮装行列」は、a fancy‐dress paradeとなります。
「扮装」の英語表記は、camouflage、disguise、physical composition、make-up、composition、constitution、makeupです。
「扮装する」は、make oneself up 《as》; be dressed 《as》; be costumed 《as》、〈変装する〉 disguise oneself 《as》となります。
「仮装」の意味
「仮に装う」という漢字から成り立つ「仮装」。
仮に他のものの姿をすること。
それらしく見せかけること。
といった意味をはじめ、その出来事が事実あったかのように見せかけること。
といった意味もあります。
今回、「扮装」と比較する場合の「仮装」は、前者の仮に他のものの姿をすること。
それらしく見せかけること。
といった意味となり、普段とは違った衣装などで仮の姿を装うといった意味となります。
「仮装」の使い方
ハロウィンなど日本でも「仮装」の文化が定着しつつあります。
「仮装」の使い方としては、「仮装パーティー」や「仮装パレード」、「仮装舞踏会」、「仮装行列」、「仮装姿」、「仮装大賞」などがあります。
「仮装」を使った例文
・『今年のハロウィンの仮装はどんな仮装にしようか。友達と相談して決めることにした。』
・『地元の商店街で実施される仮装パレードに家族で参加することに決めた。』
・『彼女の仮装姿があまりにも可愛くて、惚れ直してしまった。』
・『初めて仮装パーティーに参加することになり、少し緊張している。』
「仮装」の類語
「仮装」の類語には、衣装とマスクを着けている客のパーティーを意味する、仮面劇や仮面舞踏会。
自分自身でない誰かまたは何かになったふりをする意味を持つ、変装、擬装、偽装。
物事の本当の性質を誤って伝える、表面的な外見を意味する、化の皮、カムフラージュ、化け、変装などがあります。
「仮装」の対義語
「仮装」の対義語はありません。
「扮装」の意味
俳優が、その役柄らしく、身なりや顔かたちなどをつくり装うこと。
また、その装い。
を意味する「扮装」。
「扮装」は、「仮装」とは異なり、見た目だけではなく中身も、その人そのものに変身する意味となります。
「扮装」の使い方
「扮装」の使い方としては、基本的に「扮装する」といったような使い方となります。
「仮装」のように「扮装パレード」、「扮装舞踏会」などといったような使い方は行いません。
「扮装」を使った例文
・『俳優が扮装した徳川家康は見事なものだった。』
・『関西人に扮装するため、関西弁を猛勉強中です。』
・『彼のピエロへの扮装は本物にしか見えなかった。』
・『いろいろな人に扮装できる役者という仕事に憧れる。』
「扮装」の類語
「扮装」の類語には、人や物が構成される方法を意味する、大組、作文、合成、組み版、組み、大刷り、構図、組立て、構成、構造など。
物事の本当の性質を誤って伝える、表面的な外見を意味する、化の皮、仮装、カムフラージュ、化け、変装などがあります。
「扮装」の対義語
「扮装」の対義語は、ありません。
まとめ
以上のように「仮装 」と「扮装」には、見た目だけではなく、その中身に大きな違いがあります。
そのため、十分に理解したうえで使い分けることが大切です。
