コンピュータのプログラムを作るには多くの方法がありますが、最もポピュラーなのは「要件定義書」から「仕様書」を作り、そこからできた「設計書」を元にするやり方です。
それではこれらの文書はどう言う意味で消化。
また、違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「設計書」と「仕様書」と「指示書」の違いを分かりやすく説明していきます。
「設計書」とは?
「設計書」とは、文字通り「設計が書いてある書面」のことを言います。
通常はプログラムや工業製品などを作るときに、その元となる設計です。
大規模なプログラムの場合には、「基本(概要)設計書」と「詳細設計書」を作成することが多く、「設計書」には、全体のプログラムの目的、構成、画面、帳票、データ項目などが記載されます。
通常は「アプリケーションデザイナー」という役割の人が作成して、その「設計書」を元にして「プログラマー」が実際のプログラムを作成します。
英語では「design document」と言います。
「仕様書」とは?
「仕様書」とは、文字通り「仕様が記載されている文書」のことで、プログラムや工業製品などの「仕様」、つまり「このようなもの」という内容が書かれています。
プログラムの場合は、備えられるべき機能、入力と出力、機能以外に必要なこと(スピードや実行環境など)が記載され、一般的にはこの「仕様書」から「設計書」が書き起こされます。
英語では「specification document」になります。
「指示書」とは?
「指示書」とは、文字通り「指示する書面」のことです。
シチュエーションによって様々な種類がありますが、一般的には「これとこれをやってください」という内容が記載されています。
例えば工場などで使用される「組み立て指示書」には、まずこれらの部品をここからとって、部品をこのように並べて、ここに接着剤をつけて、これとこれを組み合わせるというような指示が書かれています。
英語では「instruction document」になります。
「設計書」と「仕様書」と「指示書」の違い
「設計書」と「仕様書」と「指示書」の違いを、分かりやすく解説します。
これらは「何かを作るときに元になるもの」という部分では同じですが、そもそも目的とするものが全く違います。
まず、「仕様書」は「あるべき姿」を記述したもので、平たくいえは「こんなものを作ってください」という内容です。
それに対して「設計書」は「どうやって作るか」を示したもので、「これとこれを使ってこういう処理をすればできます」ということが書かれています。
最後に「指示書」は少し違っていて「これをやってください」ということを記述します。
つまり、最終的な目的とは関係なく「やるべきこと」が書いてあるというものです。
まとめ
この記事では、「設計書」と「仕様書」と「指示書」の違いを説明してきました。
プログラムが使い物になるかどうかはどこで決まるかと言うのは場合によって違いますが、多くの場合は「仕様書」や「設計書」よりも「要件定義書」で決まると言われています。
つまり、業務やユーザーが何を必要としているのか、それが的確に捉えられていないとダメだと言うことです。
最近人気のアジャイルというやり方は、これらのステップを細分化してなんども行いますが、その大きな利点は間違いに気づいたらすぐにやり直せるというところです。