「先述」と「前述」と「前出」の違いとは?分かりやすく解釈

「先述」と「前述」と「前出」の違い生活・教育

「先述」「前述」「前出」は過去に述べた内容を簡素に表現する言葉ですが、細かな意味が異なるため使い分けが必要です。

この記事では、「先述」「前述」「前出」の違いを分かりやすく説明していきます。

「先述」とは?

「先述」「せんじゅつ」と読む言葉で、「以前に述べた事柄」を意味します。

「同じ文書や会話において既に触れられた内容を示す際」に使用されますが、「別の文書や会話などで既述した内容を指す際」に使用することも可能です。


「先述」の例文

「先述」「既に述べた内容を簡素に繰り返すために用いられる」言葉で、同一の文書や会話だけでなく別の機会に書かれた文書や話された内容に触れる際にも使用できます。

「先述のように」「先述した通り」といった使われ方をしています。

・『先述のように、坂道を歩行する際は平らな道よりも身体に負担がかかる』
・『リスク管理を怠った結果何が起こったかは先述した通りである』


「前述」とは?

「前述」「ぜんじゅつ」と読み、「以前に述べた事柄」という意味を持つ言葉です。

「先述」と同じく以前に述べた内容を示す際に使われますが、「前述」の場合は「同じ文書や会話内において既に触れた内容」を指す際に用いられるのが特徴です。

「前述」の例文

「前述」「そのときに記された文書や交わされた会話において既に触れられた内容」を簡潔に表現する際に使用します。

「前述のように」「前述した通り」といった用法があり、論文や報告書などを作成する際に利用されています。

・『前述のようにそのデータには問題があった』
・『前述した通り、池には数多くの外来生物が沢山生息している』

「前出」とは

「前出」「ぜんしゅつ」と読む言葉で、「以前に述べたり示したりした事柄」「前掲した内容」といった意味を持ちます。

上記の二つの言葉に比べると、「前出」「以前に触れた言葉を特定して示す際」に使用されるという特徴があります。

「前出」の例文

「前出」「既に言及した特定の言葉を再び表現する際」に使う言葉で、通常は「前出の~」のように「前出」の直後に再掲したい言葉を置いて用います。

・『前出のキャラクターはクライマックスで再登場する予定だ』
・『前出の案件についてはさらに検討を重ねる必要がある』

「先述」と「前述」と「前出」の違い

「先述」「前述」「前出」はどれも「既に触れた内容を再度述べる際」に使用する言葉ですが、それぞれが持つ意味合いに違いがあります。

「先述」「前述」はどちらも「以前に述べた事柄」という意味がありますが、「先述」が同じ文書や会話で既述した内容だけでなく「別の文書や別の機会に交わされた会話内で既述した内容」も含めるのに対し、「前述」「同じ文書や同じ機会に交わされた会話で既述した内容」に限られます。

一方、「前出」「過去に示した特定の言葉」に対して使用され、「先述」「前述」より示す範囲が限定的という特徴があります。

まとめ

「先述」「前述」「前出」の大きな違いは、各々が示す「範囲」にあるといえます。

三つの言葉の正しい意味や用法を学習し、状況に応じて適切に使えるようになりましょう。

ぜひ参考にして語彙力向上に活用してください。