最近は、頻繁に企業間のM&Aの話がニュースになっています。
M&Aとはある会社が他社の株式を取得することによって、その会社の経営に参画することですが、様々な形態があります。
「資本参加」や「子会社化」はそのような目的で行う場合もあります。
それでは、これらの言葉はどう言う意味でしょうか。
「資本提携」と言うものもありますが、それぞれ違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「資本提携」と「資本参加」と「子会社化」の違いを分かりやすく説明していきます。
「資本提携」とは?
「資本提携」とは、英語では「capital alliance」といって、一般的には業務上の提携関係を築くために、ある企業が別の企業の株式を取得したり、お互いに持ち合ったりすることを示す言葉です。
生産提携、販売提携などの企業間協力を行うことを前提として行われます。
「資本参加」とは?
「資本参加」とは、英語では「capital participation」といって、ある会社が別の会社の株式を取得することによって、その会社の資金繰りに協力することです。
通常は経営権に影響しない割合で行われますが、場合によっては後述の「子会社化」まで発展することもあります。
これによってその会社間の親密度が向上し、業務提携などもうまくいくようになりますが、期限を切ることも多く、契約が更新されない場合は、協力関係もなくなってしまうこともあります。
「子会社化」とは?
「子会社化」とは、文字通り「子会社にする」ことを言います。
通常は、ある会社が、他社の株式の50%以上を取得することによって行われますが、状況によっては50%以上の必要がない場合もあります。
一般的には、その企業の技術や知名度、販売チャネルなどの取得を目的としており、場合によっては敵対的M&Aによって実現されることもあります。
「資本提携」と「資本参加」と「子会社化」の違い
「資本提携」と「資本参加」と「子会社化」の違いを、分かりやすく解説します。
これらは全て、株式の売買を伴う資本関係の構築は伴うことですが、やり方や目的が違います。
すなわち、「資本提携」は「経営権に影響しない範囲で株式を持知合ったりして、協力関係を構築すること」で、通常は業務提携と同時に行われます。
そして、「資本参加」は、「企業の資金調達のために別の企業に株式を買ってもらうこと」です。
さらに、「子会社化」は、「50%以上の株式を取得して、会社の経営権を取得すること」が目的です。
従って、通常は、「資本提携」、「資本参加」、「子会社化」の順番で会社間の繋がりが深くなります。
まとめ
この記事では、「資本提携」と「資本参加」と「子会社化」の違いを説明してきました。
これらは皆、株式の取得によって行われるものです。
さらに、敵対的M&Aと呼ばれるのは、その会社の合意を得ないでその会社の株式を取得して、買収や合併を行うことです。
これはバブルの頃に多く行われていましたが、ここのところまた増えています。
この背景には先行き不透明な時代に確実な技術や市場規模を持っている会社を手に入れることで企業の足腰を強化すると言う理由もあるでしょう。