この記事では、「時世」と「時節」と「時勢」の違いを分かりやすく説明していきます。
時のつく言い回しを、学んでいきましょう。
「時世」とは?
時世(じせい)とは、世の中のこと。
社会の空気やムード、雰囲気をあらわしています。
今の時代を言い表した言葉なので「現代の時世」や「時世の流れ」といいます。
世間の人たちがどう感じているのか、その時々のニュースや出来事をまとめた言葉が時世となります。
ちなみに時世は「ご時世」と「ご」を付けて、表現することが多いです。
ご時世も時世も同じ訳があり、そのときの風潮やカラーを示します。
その時代のシンボルとなっているもの、多くの人が感じている空気感が時世です。
「時節」とは?
時節(じせつ)とは、季節のこと。
その時によって、変わっていく天気や気候をあらわします。
また幸運が舞い込んでくる様子、チャンスをつかみ取ることも「時節」といいます。
カレンダーの暦とともに、移り変わっていく四季が時節です。
ちなみに時節は、手紙でもよく取り上げられる表現です。
そのひとつの例として「時節柄ご自愛ください」があります。
これは寒かったり暑かったり、体調に酷なシーズンが続いているので、くれぐれもお体を大切にしてくださいの略です。
「時節柄」には「この季節」という意味があります。
「時勢」とは
時勢(じせい)とは、目まぐるしく変化している時代の風のこと。
歴史の動き、流れをあらわします。
ジェットコースターに乗っているように、常に変わっているもの。
存在が揺らめいているものを「時勢」といいます。
急ピッチで進んでいるというイメージがある言葉なので「時勢にのる」や「時勢に鑑みる」という言い方をします。
流行や革新によって、概要が変容していくもの、改まっていくものが時勢です。
ちなみに時勢は「ご」を付けて「ご時勢」とは言わないので、言い方には注意しておきましょう。
「時世」と「時節」と「時勢」の違い
・ポピュラーな言葉は「ご時世」
「時世」と「時節」と「時勢」は「じ」から始まる言葉であること、いずれも「時」にまつわる用語のため、使い分けが難しく思えてしまいます。
このうち日常生活でよく利用されるものは「時世」となります。
「マスクをつけるご時世」や「せちがらいご時世」など、自分の力だけでは変えられない時代の風潮をあらわします。
また時節は季節と同じように使われるもので、毎年やって来るものを言い表します。
クリスマスやお正月、バレンタインなど、年中行事をあらわす場合もあります。
「時勢」は時代の変化をあらわす言葉。
おもに歴史の流れを、かいつまんで説明するときに利用されます。
「時世」と間違えて使用されやすいので、使い方には注意しておきましょう。
まとめ
「時世」と「時節」と「時勢」の違いを分かりやすくお伝えしました。
いずれも時代の風をあらわす言葉です。
時世は世の中のこと。
おもに「ご時世」といいます。
そして時節は、季節の行事のこと。
時勢は移ろいゆく、社会の変化をあらわします。