「知恵」と「工夫」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「知恵」と「工夫」の違い生活・教育

この記事では、「知恵」「工夫」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「知恵」と「工夫」の違い

「知恵」とは、物事の筋道や計画を立てて、正しく物事を行っていくこと、物事の道理を判断する頭の働きのことです。

「工夫」とは、よい方法がないか考えることです。

「生活の知恵」といった使い方をします。

たとえば、コーヒーかすには消臭作用があり、下駄箱に入れておくと臭いを抑えてくれます。

このような物事を判断する能力や、正しく処理していくことが「知恵」です。

コーヒーかすを下駄箱に入れておいても、しばらくすると臭いが発生をします。

また、コーヒーかすを乾かす必要があり、手間がかかります。

もっとしっかりと臭いを抑えることができないか、もっと簡単な方法がないかなど考えることは、もっといい方法がないか考えているといえ、このようなことを「工夫」といいます。

「工夫」には、よいやり方を考えるという意味が含まれていますが、「知恵」には、やり方を考えるという意味は含まれていません。

この点が大きな違いです。


「知恵」と「工夫」の使い方の違い

物事を判断する頭の働き、道筋や計画を立てて正しく行う能力のことについて「知恵」を使用します。

「知恵を絞る」「おばあちゃんの知恵」のような使い方をします。

よい方法を考えることには、「工夫」を使用します。

「栄養バランスを工夫する」のような使い方をします。


「知恵」と「工夫」の英語表記の違い

「知恵」は英語で“wisdom”“intelligence”“sense”と表記をします。

「工夫」は英語で“device”と表記をします。

「知恵」の意味

「知恵」とは、物事を判断する能力、物事を筋道立て、計画を立てて、正しく処理していく能力のことです。

本を読んで、アルミ箔を丸めたものをシンクの受け皿に置いておくと、受け皿がぬめりにくくなることを知りました。

知っているだけでは「知恵」とは言えず、これは「知識」です。

「知識」を正しく判断して、正しく活用することができれば「知恵」といえます。

洗顔料を泡立てるための泡立てネットが、100円均一やドラッグストアなどで売られていますが、これを使用しなくてもミカンのネットで洗顔料を泡立てることができます。

これは「生活の知恵」といえます。

「知恵」の使い方

物事を筋道立てて、計画をして、物事を処理する能力について使用します。

物事を知っていることに対して「知恵」という言葉を使用するのではなく、物事を処理する能力に対して使用をします。

胃に不快感があるときには、キャベツを食べるといいよと教えてもらいました。

これは知っているだけなので「知恵」とはいいません。

実際にやってみることや、その情報が正しいのか判断する能力を指して「知恵」という言葉を使用します。

「知恵」を使った例文

・『知恵を絞る』
・『よい知恵がないか尋ねてみる』
・『知恵を出し合う』
・『知恵のつまった一冊』

「知恵」の類語

「知性」「理性」が類語です。

「知性」には、物事を判断する能力という意味があり、「理性」には、善悪などを正しく判断する能力、道理によって物事を判断する能力という意味があります。

「知恵」の対義語

「無知」が対義語です。

知らないこと、知識や知恵のないことという意味があります。

「工夫」の意味

「工夫」とは、よい方法をみつけようと考えることです。

ピーマンが嫌いな子どもは少なくないようです。

なんとか食べさせようと苦労をしている親御さんもいることでしょう。

食べてもらうために、ピーマンを細かく刻む、カレーなど色が濃いものに混ぜるなどすると思います。

これは、食べてもらうよい方法がないか考えているといえ、このことは「工夫」といえます。

「工夫」の使い方

よい方法がないか考えることに使用をします。

夏になると、汗や皮脂でメイクが崩れやすくなります。

どうせ時間が経てばまた崩れる、崩れたら直せばいい、そのように考えて何もしないことは「工夫」をしているとはいえません。

スキンケアをしてから少し時間をおく、ファンデーションを厚く塗らないなどすることで、メイク崩れを防ぐことができます。

何もしないのではなく、崩れないようにするためにはどうすればいいか、あれこれ考えてみているので「工夫」といえます。

「工夫」を使った例文

・『調理に工夫をする』
・『工夫を凝らした商品』
・『ピンチを工夫で乗り切る』
・『伝え方を工夫する』

「工夫」の類語

「案出」「考案」が類語です。

「案出」には、いろいろ考えだすことという意味があり、「考案」には、新しいやり方や品物を考えるという意味があります。

「工夫」の対義語

対義語はありません。

まとめ

「知恵」とは正しく処理していく能力のこと、「工夫」はよいやり方をあれこれ考えることで、違った意味を持っています。