この記事では、「漸く」と「暫く」と「悉く」の違いを分かりやすく説明していきます。
「漸く」とは?
「漸く」は「ようやく」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「長い間待ち望んでいたものごとが、やっと実現する様子」という意味で、長い間ずっとそうしたい、そうして欲しいと思っていた願いが叶うことです。
2つ目は「様々な苦労の末に、やっと目標が達成できる様子」という意味で、とにかく何とかしてものごとをやり遂げる様子です。
3つ目は「ものごとが次第に変化する様子」という意味で、少しずつある状態に近づくことです。
4つ目は「ゆっくりと」という意味で、急がずに少しずつ行動する様子のことです。
上記に共通するのは「やっとそうなる」という意味です。
「漸く」の使い方
「漸く」は副詞として使われます。
基本的に、様々な努力や苦労を積み重ねて、やっと目標を達成できたり、願いが叶うことに使われる言葉です。
「漸く」の例文
・『この作業も漸く終わりが見えてきた』
「暫く」とは?
「暫く」は「しばらく」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「すぐでないが、さほど時間がかからない様子」という意味で、短くはないが、長く感じない程度の時間のことです。
2つ目は「ある状態が当分は続く様子」という意味で、自分たちが望んでいる時間はその状態が続く様子のことです。
3つ目は「一時的であること」という意味で、短時間であり長く続かないことです。
上記に共通するのは「ある程度の時間」という意味です。
「暫く」の使い方
「暫く」は副詞として使われます。
基本的に、すぐにではないけれども、長くは感じない程度の時間に使われる言葉です。
「暫く」の例文
・『ただいまおつなぎ致しますので、暫くお待ちください』
「悉く」とは?
「悉く」は「ことごとく」と読みます。
意味は「対象としているもの残らず全てのこと」です。
話し手が言いたいことや、話題の対象となっている物残らず全てのことです。
「悉く」の語源は「事事(事々)」で、「あらゆる事全て」という言葉が変化したものです。
「悉く」の使い方
「悉く」は副詞として使われます。
基本的に、その時に話題の対象となっている物残らず全てに使われる言葉です。
「悉く」の例文
・『彼は人の意見を悉く否定する』
「漸く」と「暫く」と「悉く」の違い
「漸く」は「様々な努力や苦労を積み重ねて、やっと目標を達成できたり、願いが叶うこと」という意味です。
「暫く」は「すぐにではないけれども、長くは感じない程度の時間」という意味です。
「悉く」は「その時に話題の対象となっている物残らず全て」という意味です。
まとめ
今回は「漸く」と「暫く」と「悉く」について紹介しました。
「漸く」は「やっと目標を達成できる」、「暫く」は「すぐではないが、長くはない時間」、「悉く」は「対象となる物残らず全て」と覚えておきましょう。
