住まいを表す言葉として「家」と「宅」と「屋敷」があります。
どれも一般的に使われる表現ですが具体的にはどのような違いで使い分けられているのでしょうか。
今回は、「家」と「宅」と「屋敷」の違いについて解説します。
「家」とは?
「家」とは、「人が住むことを目的に建てられた建築物」を意味する言葉です。
「家」が意味するのは「人が暮らすための場所」です。
寝起きしたり食事や入浴をしたりなど生命維持に必要な生活全般を営む場所が「家」であり、一般的には移動が困難な不動産建築物を指します。
物体としての「家」は建築物そのものを指しますが、住居で暮らす人々や生活など家族や家庭を指して「家」と表現することもあります。
建築物としての「家」に広さや素材などの制限はなく、そこで人が暮らしていれば「家」になります。
テントやトレーラーハウスなど建築物ではない移動可能な場所であっても生活の拠点であれば「家」です。
「家」の例文
・『仕事を終えて家に帰る』
・『外出制限中なので家の中で楽しむことにする』
「宅」とは?
「宅」とは、「人が住み暮らしている住居」を意味する言葉です。
ただの建築物ではなくそこに住人がいて生活している住居として使われている建物を「宅」と表現します。
「すまい」や「すみか」と近しい表現であり自分の住まいに対しても他人の住まいに対しても使われる言葉です。
一般的には「田中宅」のように住んでいる人の名前と組み合わせて誰の住まいかを表します。
生活している建物に対して使われる表現なので空き家や拠点としては使われていない仮の住まいに対しては用いません。
「宅」の例文
・『お宅に訪問してもよろしいでしょうか』
・『ご用件がございましたら宅の方までお立ち寄りりください』
「屋敷」とは
「広く巨大な家屋」を意味する言葉です。
住んでいる人数に対してとても広く大きい住まいのことを指す言葉が「屋敷」です。
広い土地に立派な建物が建てられているような庶民では建てることのできないような規模の住宅が「屋敷」であり、庭や門など家屋以外にもさまざまな設備を備えます。
具体的な基準はありませんが一般的には通常サイズの住宅が二軒以上建てられるような広い土地や建てるのに相当の金額がいるであろう豪奢な建物を備えた住居に対して使われる表現です。
「屋敷」の例文
・『屋敷の庭で遊ぶ』
・『伝統ある作りの屋敷を見学する』
「家」と「宅」と「屋敷」の違い
「家」と「屋敷」が建物そのものを指すのに対し「宅」は人が住み暮らしている現状で生活拠点として使われている建物を意味します。
人が住んでいない状態であっても「家」と「屋敷」は使えますが「宅」は一が住んでいない状態では用いません。
「家」と「宅」は人が住むための建物全般を表すのに対し「屋敷」は規模の大きな住居に対してのみ使われる表現です。
まとめ
「家」と「宅」と「屋敷」はそれぞれ浮かぶイメージが異なる住居を指す言葉です。
どんな大きさでどんな状態なのかを考慮して使い分けてください。