この記事では、「戦友」(せんゆう)と「好敵手」(こうてきしゅ)の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「戦友」と「好敵手」の違い
「戦友」と「好敵手」は、どちらも戦いや競争の場において用いられる言葉です。
しかし、二つの言葉の意味には大きな違いがあります。
まず「戦友」ですが、「戦友」は「味方」を表す語です。
「戦場や競争の場において、一緒に戦った友人」のことを「戦友」と言います。
これに対し「好敵手」は、「敵」を表す言葉です。
「実力が同程度の、良い勝負ができる競争相手」が「好敵手」です。
「戦友」と「好敵手」の使い方の違い
「彼は私の戦友だ」「彼は私の好敵手だ」などのように用います。
「戦友」は「味方」を、「好敵手」は「対立相手」を示す語なので気を付けてください。
「彼は私の戦友だ」とした場合は、「彼」は「私」と同じチームに属して共に戦っていたことになります。
しかし「彼は私の好敵手だ」の場合は、「彼」は「私」と敵対していて競い合っている、という意味になります。
「戦友」と「好敵手」の英語表記の違い
「戦友」を英語で表すと“comrades”です。
“comrades”は、「戦友」の他に「仲間」「同僚」という意味も持っています。
「好敵手は」“rival”です。
“rival”は「敵対相手」という意味です。
「戦友」の意味
「戦友」とは、「戦場やそれに類する場で、一緒に戦った友」のことです。
「戦闘に従事していた際に、同じ部隊で生活を共にした友人」が「戦友」です。
しかし、比喩表現として用いられる場合もあります。
比喩的に用いた場合は、「戦場のように熾烈な場を共に乗り越えてきた友」ということです。
「スポーツや仕事などで苦楽を共にし、厳しさを一緒に乗り越えてきた友人」のことを「戦友」と言います。
「戦友」の使い方
「彼は戦友だ」などのように使います。
ただ「友人だ」と言うよりも、「共に厳しい経験を乗り越えてきた仲間だ」というニュアンスが強く出る言い方です。
「友人」は「親しい、気の置けない人」を示す語ですが、「戦友」はそこに「苦労を共にした」という意味が乗り、より深い繋がりや信頼を感じさせる言葉です。
「戦友」を使った例文
・『私の受験勉強は彼女がいなければ乗り越えられなかったでしょう。ともに塾で学んだ彼女は戦友です』
・『かつての戦友と無事に再会し、僕は涙を流して喜びました』
・『昔の戦友は散りぢりになってしまい、今となっては連絡のつかない者も多くいる』
・『彼は僕が野球をやっていたときの戦友です。同じチームに所属し、夏休みは朝から晩まで一緒に練習しました』
・『十数年ぶりに会った戦友は、すっかり柔和な顔つきになっていて、私は安心して泣いてしまった』
・『職場の戦友に迷惑をかけられないと思い、必死で書類をまとめた』
「戦友」の類語
「戦友」の類語は「味方」(みかた)です。
「味方」とは、同じチームに所属したり、同じ目的を持っていたりする仲間のことです。
また、「盟友」(めいゆう)も「戦友」の類語だと考えられます。
「盟友」とは、「同じ信念を持ち、互いに助け合う同士」のことです。
「戦友」の対義語
「戦友」の対義語は「敵」(てき)です。
「敵」は、「戦争や競争、試合の相手」のことです。
「好敵手」の意味
「好敵手」とは「よいライバル」のことです。
競争の場において自分と実力が拮抗している相手のことを「好敵手」と言います。
「拮抗」というのは「実力に優劣がなく、張り合う」という意味です。
つまり、「自分と同程度の実力を持ち、実際に決着がつくまで勝敗がわからない、良い勝負ができる相手のこと」を「好敵手」と言います。
「好敵手」の使い方
「好敵手」と「ライバル」はほぼ同じ使われ方をします。
「自分と実力が同じくらいの、丁度いい競争相手」のことです。
例えば、「あなたは私の好敵手だ」と用いた場合、「あなたの実力を私は認めている」というニュアンスが含まれます。
単純に「敵」と言う語を用いたときよりも、好意的な意味合いになります。
「好敵手」を使った例文
・『この試合は、長きにわたる好敵手との最後の決着の場だった』
・『好敵手に出会えて、より水泳が楽しくなった』
・『自分と同年代の実力者と出会い、私は嬉しくなりました。この人と競い合ってみたい、と思いました。初対面のときから、彼女は私の好敵手でした』
・『僕は君を好敵手だと認めない』
・『好敵手同士の戦いは見ごたえがある』
「好敵手」の類語
「好敵手」の類語は「宿敵」(しゅくてき)だと考えられます。
「宿敵」とは「何度も敵対している、実力の伯仲する相手のこと」です。
前述した通り、「ライバル」も「好敵手」の類語です。
「ライバル」は「反目し合う相手」という意味です。
「好敵手」とは異なり、好意的なニュアンスは含まれていないので、使い分ける際は注意が必要です。
「好敵手」の対義語
「好敵手」の対義語ですが、定義づけられたものは存在しないようです。
あえて考えるとするならば、「敵ではない相手」ということで、「味方」(みかた)や「仲間」(なかま)がよいかもしれません。
まとめ
「戦友」と「好敵手」の違いについてまとめました。
「戦友」は「味方」を示す語ですが、「好敵手」は「競争相手」を表す言葉です。
「戦友」は「戦場で苦難を共にした友」という意味です。
「好敵手」は「実力の拮抗する競争相手」ということです。