「風土」と「風習」と「習慣」の違いとは?分かりやすく解釈

「風土」と「風習」と「習慣」の違い生活・教育

この記事では、「風土」「風習」「習慣」の違いを分かりやすく説明していきます。

「風土」とは?

「風土(ふうど)」とは、「その土地・地域が固有の特徴として持っている気候(気象条件)や地形(地勢)、外観(景色)」のことを意味している言葉です。

「風土」には「物理的な土地の条件」の意味だけではなく、「人間社会および社会慣習・文化などに作用する精神的な環境要因」といった意味合いもあります。


「風土」の例文

・『かつて人類は多くの地域で、それぞれの土地の気候要因やウイルス・細菌と結びついた風土病に悩まされてきました』
・『賄賂が横行したり行政がサボタージュしたりする政治的風土が変わらないと、先進国のような』


「風習」とは?

「風習(ふうしゅう)」とは、「その地域において昔から続いてきたならわし(各種の伝統行事)や決まりごと」のことを意味しています。

「風習」という言葉は、「その地域社会においては当たり前の前提として考えられてきた生活習慣・社会慣行・伝統のある行事(イベント)・しきたりのルール」を指し示しているのです。

ただし「風習」「集団レベルの社会・地域のならわし」だけを意味していて、「個人の習慣・癖」などに使われることはありません。

「風習」の例文

・『ジャングルの奥地で生活しているその部族には、現代人から見ると奇妙な風習が多く残っていました』
・『お祭りや宗教行事などのその地域の特色としてあった風習が、時代の流れを受けて少しずつ消滅しているのです』

「習慣」とは

「習慣(しゅうかん)」とは、「個人が毎日のように行っているうちに当たり前になった事柄・個人レベルのルーティン」を意味しています。

「習慣」は、「ある行為を反復しているうちに、それが自然に決まりのようになったこと」を示しています。

また「習慣」の言葉には、「ある国や地域の人々において、そうすることが当たり前と思われているやり方・作法」の意味合いもあります。

「習慣」は、「社会的なならわし・伝統的に形成された活動」の意味も持っているのです。

「習慣」の例文

・『出勤する前にシャワーを浴びながらヒゲを剃ることが毎日の習慣になっています』
・『日本では知らない人に無遠慮に話しかけず体にも触れない習慣があるので、欧米人ほどフレンドリーな印象を受けにくいのです』

「風土」と「風習」と「習慣」の違い

「風土」「その土地が固有のものとして持っている気象条件や地勢・景観」を意味していて、この意味は「風習・習慣」にはないという違いがあります。

「風習」「習慣」はどちらも「社会的・伝統的に人々に共有されているしきたりやならわし」を意味していますが、「風習」「習慣」とは違って「個人レベルで繰り返し行ってしまうルーティンの行為」という意味は持っていません。

「風習」「習慣との違い」として、「風習」「ある社会集団で共有されているならわし=集団レベルのならわし」にしか使われない点を挙げることができます。

まとめ

この記事では、「風土」「風習」「習慣」の意味の違いを分かりやすく説明しました。

「風土」「風習」「習慣」の意味や使い方の違いを詳しくリサーチしたいときは、この記事の解説を読んでみてください。