「腐食」と「酸化」と「錆」の違いとは?分かりやすく解釈

「腐食」と「酸化」と「錆」の違い生活・教育

この記事では、「腐食」「酸化」「錆」の違いを分かりやすく説明します。

「腐食」とは?

腐って形が崩れることを指す単語で、「腐蝕」とも書きます。

また、金属や木材などの特定の部分を薬品で変質・破壊させることも示します。

乾食と湿食の他、微生物が金属腐食を促進する場合もあります。


「腐食」の例文

・エッチングは凹版画の一種で、防蝕剤が塗布された金属板をニードルで掻いて金属を露出させ、腐蝕液に浸すと絵画や文字を表した金属の描き込み部分だけが腐食して凹む為、この凹部にインクを詰めて紙に絵や文字を転写するので、細かい表現が可能な技法です。

・化学的腐食は、水分を伴わない乾食で、高温の空気や反応性ガスによる酸化の腐食を称し、電気化学的腐食は、主に土壌や水のような電解質が介在する湿食のことを指します。


「酸化」とは?

物質が酸素と結合した状態を指します。

広義では、物質から電子が奪われる変化を総称し、対義語は「還元」です。

「酸化」の例文

・酸化と還元は、相伴って起こる為、全体の化学反応を「酸化還元反応」と称し、この時、反応物質の間では電子の授受を伴うことから、「電子移動反応」とも呼ばれます。

・洗濯物の染み抜きに使われる酸化漂白剤は、繊維中の色素を酸化作用によって破壊して脱色する薬剤で、過酸化水素や亜塩素酸ナトリウムなどがあります。

「錆」とは

空気に触れた金属の表面に発生する酸化物や水酸化物などのことです。

鉄などは、酸素と結合した「錆」の状態が安定で、錆を取り除いた製品の方が物質としては不安定なので、錆の発生は避けられない現象です。

そこから転じて、悪い結果を指す場合があります。

「錆」の例文

・鉄の錆は黒色や褐色、銅の錆は黒色や緑色など、錆の色は金属の種類によって異なり、日本画絵の具の「緑青」は銅成分を含む孔雀石で作られた色で、紙や絹に銅イオンによる深刻な劣化を起こすことがあります。

「身から出た錆」は、自分の悪行の結果、自分自身が禍を蒙って苦しむことで、「自業自得」と同じ意味です。

「腐食」と「酸化」と「錆」の違い

腐食の原因は様々ですが、高温の空気や反応性ガスによる酸化で起こる化学的腐食、電解質が介在する電気化学的腐食、水中の酸素濃度の差によって起こる通気差腐食、メタン生成古細菌などによる微生物腐食などがあります。

酸化は、物質と酸素が結合した状態を指し、電子・酸素原子・水素原子が二つの物質の間で授受される反応を「還元」とセットで「酸化還元反応」とも呼びます。

錆は、金属の表面に発生した酸化物など指します。

まとめ

埋設された水道管の腐食は、暮らしや産業の基礎を揺るがす深刻な問題ですが、老朽化した管の交換工事は、予算不足などで調査すら困難な自治体があります。

意外かもしれませんが、燃焼も酸化の一種です。

鉄は元々酸素と結合した状態が安定なので、錆の発生は避けられない現象です。