「怒声」と「罵声」と「怒号」の違いとは?分かりやすく解釈

「怒声」と「罵声」と「怒号」の違い生活・教育

人間生きていれば負の感情というものはどうしても発生してしまいます。

感情を抑えることができず攻撃的な言葉を発する時の表現で非常に違いが分かりづらい3語についてご紹介します。

この記事では「怒声」「罵声」「怒号」の違いを分かりやすく説明していきます。

「怒声」とは

この言葉の意味は『怒ってしまい発してしまう大声や怒鳴り声』を指します。

怒りのあまりその感情を抑えきれずに言葉として吐き出してしまうものです。

『怒声』そのものはどちらかというと怒りという純粋な感情が出てしまうので、イメージとしては泣き声や笑い声に近い表現になっています。

例えば母親がいたずらをする子供を優しくたしなめてもいうことを聞かず、怒りのあまり『コラッ!』と大きな声を上げてしまうのは『怒声』です。

もちろん叱責など言葉を大きな怒りの感情を混ぜて言ってしまうことも『怒声』です。


「怒声」の例文

・『何度も遅刻をする生徒に対して教師は怒声を浴びせた』
・『不真面目な態度を取る部員を叱る部長の怒声は一時間続いた』


「罵声」とは

この単語は『罵る』という漢字が付いている通り、『口汚く声を上げて悪口を言ったり、非難して怒鳴る』ことを表す言葉です。

怒りの感情はもちろん、そこに相手を蔑んだり軽蔑して見下したりするような感情要素も含まれている言葉です。

例えば営業成績が悪い社員などに対して怒りを交えて蔑むときなどには『チームリーダーからその社員は口汚く罵声を受けた』のように表現をします。

この意味からも『罵声』は褒められた行為ではなく相手を過剰に攻撃しているという内容であることがお分かりいただけると思います。

「罵声」の例文

・『またそんな無茶苦茶な内容の報告書なんて書いたら課長に罵声を浴びせられるぞ』
・『目に余る彼の行為は人々から罵声をうけても仕方がなかった』

「怒号」とは

この単語は『複数の人間が怒り、大声をあげていること』を表す言葉です。

ポイントは『複数』という部分にあることに注目をしましょう。

実は古い意味では『波や風が荒れて激しい音を立てている様子』を表現していました。

ですのでこの意味からも状況が吹き荒れる風や荒れ狂う波の様な状況であることがイメージしやすいのではないのでしょうか。

よくデモでの衝突や国会などで様々な怒りの感情を込めた声が飛び交う様子を『怒号が飛び交う』と表現しているのをテレビなどで見たことがあると思います。

「怒号」の例文

・『議論はヒートアップし、会場に怒号が飛び交った』
・『彼の懸命な主張の声は怒号でかき消されてしまった』

「怒声」と「罵声」と「怒号」の違い

それぞれ『怒りの声』、『蔑みを込めた怒りの声』、『複数の人間の怒りの声』という区別をつけることができます。

この中でもう少し線引きをすると『怒声』と『罵声』は一人の人間でも成立する言葉なのに対して『怒号』は複数人数という数の条件が加味されるのが面白い部分ではないでしょうか。

また、別の見方では『怒声』と『怒号』は純粋な怒りの声なのに対して『罵声』は相手を見下し言葉で攻撃するという更に深い負の感情が込められた表現であることがお分かりいただけると思います。

まとめ

如何でしたでしょうか。

怒りとは動物でも行う純粋な感情表現ですが、人間であるからこそ出来るだけ抑えたいものでもあります。

できれば『怒声』や『怒号』だけに抑えておき、相手を不必要に攻撃する『罵声』は控えるようにしたいものです。