この記事では、「投降」と「降伏」と「降服」の違いを分かりやすく説明していきます。
「投降」とは?
投降(英:surrender)は、相対する相手に降参し自身を預ける意味があります。
英語では、surrenderという言葉が使われ、戦争や警察関係の用語だけではなく、ボードゲームで手詰まりになった側が相手に「参りました」と申し出る際にも使われています。
「投降」の例文
・『立て籠もりの犯人が警察に投降する』
・『投稿した捕虜の身分は国際法で保障される』
「降伏」とは?
降伏(英:surrender,capitulation)は、主に戦争において軍隊の司令官や戦闘員が戦闘を止め、人員・物資・設備を相手の軍隊に委ねる意味があります。
英語では、投降の同じsurrenderが使われ、書面的な表現ではcapitulationが使われます。
日本語では、仏様や神様など人知が及ばない相手へひれ伏すときには降伏という言葉が使われます。
降伏」の例文
・『A国がB国に降伏した』
・『悪魔は仏の力を目にして降伏した』
「降服」とは
降服(英:surrender,capitulation)には、降伏と同じく主に軍隊が敵対する軍隊との戦闘をやめ、所属・所有する人員や設備を相手の軍隊に委ねる意味があります。
ただし、降服には仏様や神様など人知が及ばない相手へひれ伏す意味はなく、人間同士の対立で使われます。
「降服」の例文
・『A国がB国に降服した』
・『降服条件を現地司令官が協議する』
「投降」と「降伏」と「降服」の違い
「投降」と「降伏」と「降服」の違いを考える場合、「何をするか?」と「誰が誰に降参するか?」の2つの視点で考えてみます。
まず、「何をするか?」の視点では「投降」が軍隊の戦闘員や犯罪の当事者の身柄を相手へ引き渡す意味があります。
一方、「降伏」と「降服」は主に軍隊に所属する戦闘員などの人員、武器弾薬など所有する物資、軍艦や基地など管理している設備まで相手の判断に委ねられます。
立て籠もりの犯人が投降すると身柄を拘束されますが、武器や違法な物を除いて持ち物を奪われることはありません。
戦闘中の戦車が降服すると、乗っていた戦車や武器は相手に鹵獲という形で奪われてしまいます。
次に、「誰が誰に降参するか?」の視点では、「投降」と「降服」が人同士、国同士の降参の意味があります。
一方、「降伏」は人以外、例えば仏と悪魔、神と人というように人と人知が及ばない相手の関係を表現することもあります。
罪を重ねる悪人が慈悲深い仏様に降伏することはできても、投降のように身柄を引き渡すことはできません。
まとめ
今回は、「降参する」という意味の3つの言葉「投降」と「降伏」と「降服」の違いを比べてみました。
英語では、surrender,capitulationという文脈で意味が変わる同じ言葉でしたが、日本語では細かな違いがありました。
「何をするか?」の視点では、「投降」と「降伏」・「降服」で身柄だけか、それ以外にも及ぶのかの違いがあり。
「誰が誰に降参するか?」の視点は、「投降」と「降服」が人同士、国同士で使われるのに対して、「降伏」は人以外にも使われています。
英語では同じ言葉でも、日本語では細かな意味がある。
日本語って難しくもあり、不思議なものですね。