土地や物質などが沈み込んだりへこんだりする際に使う「沈降」と「沈下」と「陥没」という3つの言葉。
これらの言葉の違いはいったいどこにあるのでしょうか。
この記事では、「沈降」と「沈下」と「陥没」の違いを分かりやすく説明していきます。
「沈降」とは?
「沈降」には2つの意味があります。
一つ目は、土地などが沈み下ること、沈下すること。
地面には地層があり、長い年月をかけて、地層は左右上下にずれていきます。
それを断層と言います。
そのずれ方のひとつで、元の地面よりも下にずれることを「沈降」と言います。
そして、二つ目は、下によどむこと。
例えば、泥水は時間が経つにつれて、泥が下にたまっていきます。
この現象を「沈降」と言います。
「沈降」の例文
・『この地域は、長い年月をかけて沈降してできた土地だ』
・『泥は時間をかけて沈降し、下にたまる』
「沈下」とは?
「沈下」とは、沈み下がることを意味しています。
「地盤沈下」という言葉を聞いたことがある方も多いはず。
言葉の通り、地面が陥没し沈み込むことを指しています。
また、「沈下橋」というものもあります。
河川の増水時には川に完全に沈むように設計された橋で、流木が橋の欄干などに引っかからないような配慮がなされた橋のことです。
どちらも、完全な自然現象というよりは、人の手が加えられたことにより起きる現象という側面を持っています。
「沈下」の例文
・『液状化現象が、地盤沈下を引き起こした』
・『この家は傾いてしまっている、地盤沈下が原因だ』
「陥没」とは?
「陥没」とは、表面がへこむことを意味しています。
土地や地面だけではなく、何かしらの表面が、衝撃を受けてへこんだりすることを指しています。
「陥没湖」というものがあります。
土地が何かしらの原因で陥没してしまい、そこに水がたまり出来た湖のことです。
さらに、陥没骨折という言葉もありますが、大きな衝撃を受けたことにより、骨が陥没してしまうことです。
このように、外的要因で、意図しない結果を生んでしまった時に使われる言葉になります。
「陥没」の例文
・『ひどく殴られたことで、陥没骨折をしてしまった』
・『この湖は、土地が陥没したことで出来上がった陥没湖だ』
「沈降」と「沈下」と「陥没」の違い
「沈降」とは、土地や地面が下に沈むこと。
そして、水面に浮いていたものが、時間が経つにつれて沈んで下にたまることを指しています。
このように2つの意味があります。
さらに、時間をかけることで起きる自然現象という側面が大きいです。
「沈下」とは、「地盤沈下」や「沈下橋」という言葉にあるように、完全な自然現象というよりは、人の手が加えられたことにより引き起こされる現象という側面を持っています。
引き起こされた結果が良いものか悪いものかは区別されていません。
一方「陥没」は、「沈降」や「沈下」に比べて、外的要因という側面が大きく、そして、外的要因によって引き起こされた結果が、意図していない悪い結果を生んでしまった時に多く使われる言葉になります。
まとめ
「沈降」と「沈下」と「陥没」の違いを述べてきましたが、細かい違いがありました。
普段使っている言葉でも、よく考えると違いが曖昧な言葉があります。
この記事で、そのような疑問が解決できたのであれば幸いです。