この記事では、「目一杯」と「精一杯」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
目一杯と精一杯の違い
「目一杯」は、はかりの目盛りいっぱい、また限度いっぱいを意味します。
「精一杯」は、限界までの力を出すことです。
「精一杯」は力のことだけを意味していますが、「目一杯」は力だけでなく、はかりのことも意味しています。
はかりとは、ものの重さをはかる道具です。
現在はデジタル式のものが主流になっていますが、以前には目盛りがついたものが使用されていました。
この目盛りいっぱいのことが「目一杯」です。
そこから限度いっぱいという意味にもなります。
目一杯と精一杯の使い方の違い
力のことについては、同じように使用します。
持っている力をできる限りだして物事にあたることを指します。
「精一杯」には限界までの意味が含まれており、限界までやればいいかという消極的な意味で使われることがあります。
それに対し「目一杯」は、どちらかというと積極的な意味で使われています。
目一杯と精一杯の英語表記の違い
「目一杯」は英語で、力の限りという意味では“as long as my strength lasted”などと表現をし、目盛りの限度いっぱいという意味では“full”と表現をします。
「精一杯」は英語で“to the best of one’s ability”などと表現をします。
目一杯の意味
「目一杯」は、はかりの目盛りいっぱいのこと、そこから転じて限度いっぱいのことを意味します。
デジタル式のはかりには目盛りはありませんが、アナログ式のはかりには目盛りがあります。
この目盛りには限度があります。
その限度までいっぱいのことが「目一杯」です。
そこから転じて、はかりのことだけでなく限度いっぱいのことも意味します。
出せる力のこと、袋などに詰められる量のことなど、さまざまな限度があります。
「限度」とは、そこまでと限られている範囲のことです。
はかりの場合は、そこまで計測できるという範囲が設けられています。
人間が出せる力にも限度があります。
そこまでなら出せるその範囲が限度であり、その限度いっぱいのことが「目一杯」です。
目一杯の使い方
限度いっぱいのことに使用します。
激安スーパーなどでは、この袋の中に納め切れる量ならいくらでも入れていいですよ、1袋○○円ですよといったサービスが行われていることがあります。
多くの人は、袋から商品があふれそうなくらい入れようとします。
この限界に達するような状態が「目一杯」です。
「袋目一杯まで入れる」のように使用します。
出せる力という意味で「目一杯までがんばる」といった使い方もします。
目一杯を使った例文
・『目一杯の分量でください』
・『目一杯の努力をします』
・『あのお店は目一杯のサービスをしていてうれしい』
・『目一杯まで入れないように』
・『目一杯でカップからあふれそうだ』
目一杯の類語
「限度いっぱい」「満杯」などが類語です。
目一杯の対義語
ピッタリな対義語はありません。
近い言葉は「最小限」です。
「最小限」は、限度いっぱいではないといえます。
精一杯の意味
「精一杯」は、できる限りの力のこと、また持っている力を出し切って物事にあたることです。
「精一杯」は「力一杯」と意味が近いのですが、「力一杯」は主に筋力を使うことを意味しています。
それに対し、「精一杯」は筋力を使うことだけでなく、精神的な意味も含まれています。
デスクワークをしている人は筋力はあまり使用せず、精神力を主に使用して仕事をしていますが、「精一杯努力をする」ということがあります。
また、「精一杯」は限界まででそれ以上は無理と取ることもでき、消極的に受け取られることがあります。
精一杯の使い方
最大限の力を出しています、出しますとアピールしたいときに使用されることが多いです。
「精一杯」というと、精神的な負担が大きい印象を受けます。
精神的に大きな負担をかけるほど頑張っているとアピールするのです。
また、「精一杯がんばります」というと、力の限り一緒懸命がんばろうと積極的に取ることも、力の限りまででいいや、それ以上力を出さなくていいやと消極的に取ることもできます。
精一杯を使った例文
・『精一杯がんばったのに2位だった』
・『精一杯やっていますよ』
・『がんばれといわれてもこれが精一杯だ』
・『精一杯の笑顔』
・『それで精一杯なの?』
精一杯の類語
「力一杯」が類語です。
持っている力をできる限りだす意味があります。
精一杯の対義語
力の限りではないことを意味する言葉が対義語で、それにあたるものが「適当」や「いい加減」です。
「適当」には、程度がちょうどよいという意味もありますが、「精一杯」の対義語の場合は投げやりという意味です。
まとめ
どちらの言葉も「いっぱい」なことを意味していますが、使われる場面は違います。