誰かに意見を言うことといった意味までは分かるものの、明確な使い分けまでは難しい「助言」と「提言」と「進言」。
この記事では、「助言」と「提言」と「進言」の違いを分かりやすく説明していきます。
「助言」とは?
「助言」は、助ける言葉と書きます。
その言葉の意味通り、相手の助けになるような意見や言葉を伝えることといった意味があり、その言葉自体を「助言」とも言います。
ただし、「助言」の場合、遠くから行うものではなく、困っている人のそばで行います。
また、精神論といったものではなく、的確なものでなければ「助言」とは言えません。
「助言」の例文
・『受験経験者の兄から受験前日に受けた助言のお陰で、落ち着いて試験に臨むことができました』
・『既婚者の先輩方から多くの助言を頂いたおかげで、うまく結婚生活を維持させることができていると思う』
「提言」とは?
「提言」は、提案の「提」を用いた言葉で、意味は自分の意見や考えを出すこととなります。
また、その意見や考え自体を「提言」とも言います。
人々に自分の考えや意見を出すことを「提言」と言い、一対一で伝えるというよりも、多くの人に自分の考えや意見を示す際に用いられるものとなります。
「提言」の例文
・『社長から、今後の会社が行う取り組みにおいて提言がありました』
・『専門家が行う提言には、もっと政府は耳を傾けてほしいと思います』
「進言」とは?
「進言」は、使う相手が目上の人に限定され、目上の人に対し自分の意見を述べることを「進言」と言います。
会社で言えば、部下から上司に対し意見を述べる際に「進言」が用いられます。
意見の謙譲語となり、「進言」という言葉を用いるだけで目上の人に適切に用いることができる言葉となります。
「進言」の例文
・『傲慢な部長に進言するにはかなりの勇気が必要でした』
・『課長が困っていなので、生意気かと思いましたが私が考えた計画を進言しました』
「助言」と「提言」と「進言」の違い
「助言」は、相手の助けになるような意見や言葉をその人のそばで伝えることを意味し、その内容は精神論といった曖昧なものではなく明確なものでなければならない。
「提言」は、自分の考えや意見を出すことを意味し、それは個人間ではなく、多くの人に示すことを意味します。
「進言」は、目上の人に対し自分の意見を述べること。
といったように、それぞれ異なった意味を持ちます。
それぞれ、自分の意見や考えといった意味では共通点を持つ言葉ですが、使用する相手やその内容の違いなどによって使い分ける必要がある言葉です。
まとめ
このように、自分の意見や考えを伝えることを意味する言葉でも、それぞれ、異なった立場や状況で使い分けるものとなります。
ただ単に自分の意見や考えを言うといった言葉の使い方ではなく、「助言」、「提言」、「進言」の3つの言葉を適切に使い分けることも大切です。