この記事では、「推測」と「憶測」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「推測」と「憶測」の違い
「推測」は、情報をもとにして推し測ることを言い、「憶測」は、明確な情報がないにもかかわらず勝手に推し測ることを言います。
「推測」と「憶測」は、その物事や物事に根拠があるのかどうかが大きな違いです。
考えに根拠があることを「推測」、考えに根拠がないことと「憶測」と使い分けます。
「推測」と「憶測」の使い方の違い
「推測」はある情報に基づいて考えを言い表すときに使い、「憶測」は根拠がない自分の考えを勝手に言い表すときに使います。
どちらもなにかを予想するという意味では同じなので、間違えた使い方をしないようにしっかり意味の違いを理解して使い分ける必要があります。
「推測」と「憶測」の英語表記の違い
「推測」は、ある出来事から物事を考えるという意味で使われている“speculation”と表します。
「憶測」は、何かを言い当てる、解き当てるという意味の“guess”が使われます。
英語表記では大きな違いはなく、日常会話では「推測」も「憶測」も“guess”と表すことが多いようです。
「推測」の意味
ある明確な物事や情報などを基にして、推し測ることを「推測」と言います。
「推」は、物事をおしはかるという意味があり「測」も同じくおしはかるという意味があることから、物事の状態や人の気持ちについて考えるという意味を持ちます。
ただ物事を予測するのではなく、何らかのデータや証拠があるものに対して考えて予想するという意味があります。
「推測」の使い方
ある物事に対して、はっきりとした証拠がありデータに基づいた考えを言い表すときに使われる言葉です。
必ず事実であるとは限らないが、比較的信憑性が高いときに使われることが多いようです。
「推測」を使った例文
・『関係者から話を聞いて、事件の経緯を推測する。』
・『犯行の動機を推測する。』
・『話し方や見た目の雰囲気から、彼女の年齢を推測する。』
・『原因を推測するために、たくさんのデータが必要である。』
・『我々の推測通りに物事が進んだ。』
「推測」の類語
「推測」の類語として使われているのは、同じ「推」という字が使われていて同じ意味がある「推察」や「推量」などがあります。
予想するという意味のある「予測」や「予見」も類語として使われているようです。
「推測」の対義語
「推測」の対義語として使われているのは、物事を実際に測るという意味をもつ「実測」や、実際の状況という意味がある「実態」などがあります。
「推測」は、根拠はあるが事実ではないことから、いずれも事実であるという意味の言葉が対義語として使われているようです。
「憶測」の意味
ある物事や気持ちなどを、根拠がないにもかかわらず推し測ることを「憶測」と言います。
「憶」は物事を推し測る、「測」も同じく推し測るという意味があります。
また、「憶」は言葉になるより前の思いという意味があり、根拠になることは無いが人の気持ちや物事の状況について考えるときに使われます。
「憶測」の使い方
根拠がなく、不確かなことを基として自分の考えや記憶を言い表す際に「憶測」という言葉を使います。
深く考えられたことではないということから、マイナスなイメージのときに使われることが多いようです。
「憶測」は、明確な情報がなくいい加減に発言してしまうことが多い為、相手の気分を害する可能性があるので使うときは注意する必要があります。
「憶測」を使った例文
・『彼女は、憶測でものを言うことが多いので、本当のことなのか分からない。』
・『その噂は憶測に過ぎないので、信じてはいけない。』
・『相手の気持ちを憶測で勝手に話すのはやめた方が良い。』
・『昨日起きた事件について、さまざまな憶測が飛び交っている。』
・『憶測で軽々しく発言すると、周囲に誤解を与えてしまうので気を付けた方が良い。』
「憶測」の類語
「憶測」の類語として使われているのは、同じ「憶」の字が使われていて事実と異なる事柄に基づいた考えという意味をもつ「憶説」があります。
ある事柄を仮定して思うことという意味の「想定」や、物事を想像して決めることという意味の「推定」なども類語として使われています。
「憶測」の対義語
「憶測」の対義語として使われているのは、物事をはっきりと決定するという意味がある「断定」や、物事を定めるという意味の「特定」があります。
いずれもはっきり決めるという意味のある言葉が対義語として使われています。
まとめ
「推測」と「憶測」は似たような言葉なので、同じ言葉だと思っていたり間違って覚えている人も多いかもしれません。
正しい言葉を使うために、意味や使い方の違いをしっかり理解する必要があります。
それぞれの状況に合わせて使い分けることで、自分の考えや思いを表現することができます。