「威嚇」と「恫喝」と「恐喝」の違いとは?分かりやすく解釈

「威嚇」と「恫喝」と「恐喝」の違い生活・教育

似たような言葉である「威嚇」「恫喝」「恐喝」ですが、どんな違いがあるのでしょうか?

この記事では、「威嚇」「恫喝」「恐喝」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。

「威嚇(いかく)」の意味とは?

「威嚇」とは、「威圧感を与える姿や様子を見せて、相手を脅すこと」を意味する言葉です。

「威」という字は「威(おど)す」とも書き、「(力ずくで)おどす」「脅かす」などの意味を持ちます。

「嚇」も同じく「嚇(おど)す」と書き、こちらは「(声で)おどす」「おどかす」「大声でしかる」などの意味を持つ字です。

動物行動学において、「威嚇」は主に、自分の攻撃の意思や毒、武器があることを相手に示すことで、争いの回避や捕食者から身を守るための行動として考えられています。

人間社会においても、「威嚇射撃」のように攻撃の意思や武器を持っていることを示して、相手の攻撃行動を抑制させるために「威嚇」が使われています。


「威嚇」を使った例文

・『野良猫に近づいたら、毛を逆立て、牙を剥き出し、威嚇行動を取ってきた』
・『暴徒と化したデモ集団に対して、警察は銃を空に向けて発砲し、威嚇射撃をした』
・『大声で怒鳴ったりすることは威嚇行動のひとつとして考えられている』


「恫喝(どうかつ)」の意味とは?

「恫喝」とは「相手をおどして脅かすこと」を意味する言葉です。

「恫」という字は「(心が)いたむ」の他、「おどす」「おどかす」という意味を持ちます。

「喝」という字は「しかる」「おどす」「大声をあげる」という意味を持ちます。

「恫喝」が指すのは主に、相手に対して、大声で怒鳴ったり、不安を?き立てるような言葉を浴びせるなど「言葉を使った脅し」のことです。

ちなみに、「恫喝」は罪には問われませんが、職場などで立場が上の者が下の者に対して、暴言などを浴びせて精神的苦痛を与えた場合は「パワハラ(パワーハラスメント)」に該当します。

「恫喝」を使った例文

・『上司が部下を恫喝したことが問題とされ、全ての営業所に周知された』
・『後輩を恫喝していたことが発覚し、その芸能人はテレビから姿を消した』
・『度重なる恫喝を受けたことで、彼は相手の言いなりになるしかなかった』

「恐喝(きょうかつ)」を使った例文

「恐喝」とは、「相手の弱みなどを利用して脅すこと」「脅して、金品などを強請(ゆす)り取ること」を意味する言葉です。

「恐喝」「恐喝罪」として、罪に定められています。

相手に対して暴力をちらつかせたり、危害を加えることを告知した場合は「脅迫罪」になりますが、それに加えて、さらに金品などを要求した場合は「恐喝罪」となります。

「恐喝」を使った例文

・『彼は過去に行った不正行為をネタに、ずっと恐喝されていたようだ』
・『学生の集団内で行われていたやり取りは恐喝行為とみなされた』
・『録音データなどから被告人には恐喝罪の判決が下された』

まとめ

「威嚇」「恫喝」「恐喝」の違い 「威嚇」「恫喝」「恐喝」はそれぞれ「相手を脅すこと」「相手を恐れさせること」を意味する言葉です。

「威嚇」の場合は「威力や武器を示すことで相手を脅すこと」を指し、「恫喝」は主に「言葉を使って相手を脅すこと」を指します。

一方、「恐喝」「相手の弱みに付け込んで脅すこと」「脅して、金品などを要求すること」を指します。