「重傷」と「痛手」と「深手」の違いとは?分かりやすく解釈

「重傷」と「痛手」と「深手」の違い生活・教育

何かのトラブルに巻き込まれた時などに使われることがある言葉で「重傷」「痛手」「深手」というものがあります。

果たしてこれらの言葉の違いはどこにあるのでしょうか。

この記事では、「重傷」「痛手」「深手」の違いを分かりやすく説明していきます。

「重傷」【じゅうしょう】とは?

「重傷」とは、治るのに時間がかかるような深い傷のことを指します。

「重」という字は、他に「重体」「重篤」などの言葉にも使われており、とても悪い状態であることを表現する時に使われる文字でもあります。

「重傷」で使われている「重」も同じ意味で、傷や怪我の状態がとても悪いことを表す言葉です。

なお、交通事故においての「重傷」の定義は警察庁が公表しているものでは、1か月(30日)以上の治療を要する場合を「重傷」としています。


「重傷」の例文

・『交通事故により重傷を負った』
・『致命傷にはならなかったものの、重傷であることには違いはない』


「痛手」【いたで】とは?

「痛手」とは、重い傷や大きな被害のことを指しています。

意味合いだけを見ると先述の「重傷」と違いがないように思えますが、「痛手」は体に負った物理的な傷以外にも使えます。

むしろ、物理的な傷以外の所で使われることが多い言葉です。

たとえば、争っていた裁判で負けて精神的にも金銭的にも大きな損害を負ったというような時、それはとても大きな「痛手」といえます。

かなり幅広い意味での「被害」といった言葉です。

「痛手」の例文

・『ライバル会社にプレゼンで負けて、会社として大きな痛手を負った』
・『失恋の痛手がなかなか癒えない』

「深手」【ふかで】とは?

「深手」とは、深い傷のことを指しています。

「重傷」と同じような意味合いですが、現代ではあまり使われることのない、日本古来の言い方です。

先述の「痛手」は体に直接的ではない被害という意味合いが強い言葉でしたが、「深手」は体への直接的な被害に関して使われる言葉になります。

そして、戦の多かった時代に使われていた言葉でもあることから、事故による傷というよりも他者から直接的に攻撃を受けたことによる傷に対して使われる傾向がある言葉です。

「深手」の例文

・『敵の軍勢の突撃を受けて、家康は深手を負った』
・『江戸の大火で深手を負った』

「重傷」と「痛手」と「深手」の違い

「重傷」「痛手」「深手」の違いを簡単にまとめてしまうと次のようになります。

「重傷」とは、「治るのに時間がかかる深い傷」のことを指しています。

「痛手」とは、「立ち直るのに時間がかかる被害・損害」のことを指しています。

「深手」とは、「重傷の古めかしい言い方」のことを指しています。

まとめ

ここまで「重傷」「痛手」「深手」の違いについて説明してきましたがご理解いただけましたでしょうか。

その言葉が使われていた時代の情勢によっても、意味合いが傾向として変わってきたりもします。

とにかく、日々平和に過ごしてどんな傷や被害をも受けることなく生活していきたいものです。