この記事では、「再三」と「何度も」と「散々」の違いを分かりやすく説明します。
「再三」とは?
「二度も三度も」の意を表す言葉です。
言い換えの言葉は、「たびたび」「しばしば」などがあります。
「再三」の例文
・家賃滞納者が自ら賃貸契約の解除を申し出たが、再三に亘ってその後の連絡を無視して物件の明け渡しを実行しない場合でも、貸主による鍵の交換や家具の処分など、自力救済による強制退去は禁止されている為、明渡請求の訴訟を提起します。
・再三再四、注意したにもかかわらず、従業員が翌日に残る深酒や、出勤途中での飲酒をやめない場合は、アルコール依存症の可能性が高い為、産業医などに相談し、依存症専門医療機関の受診を促す必要がありますが、依存症患者は自分が病気であると言う認識がないこと自体が病気の症状のひとつで、病識がないことが多いので、家族などとも連携して対応しましょう。
「何度も」とは?
回数を問う語「何度」に「付け加える」意を含む助詞の「も」を付し、同種のものを列挙する言葉で、繰り返しの意を表します。
「何度も」の例文
・何度も同じミスを繰り返す従業員が複数居る場合、作業の手順や、作業環境自体がヒューマンエラーを誘発しやすい可能性があります。
・ミスした従業員に対する個別の叱責では解決しない為、同じ工程で何度も繰り返される同種のミスについては、事故防止の為、ヒヤリハット事例として捉え、作業手順や用具の置き場などを点検し、ミスを誘発しにくい環境を整えると解決する場合があります。
「散々」とは
残る所がなく、ちりぢりになる様子を表す語で、「ばらばら」とも言います。
容赦なく激しい様子を表す意味もあります。
甚だ惨めな様子や、酷く見苦しい様子を言う場合もあります。
「散々」の例文
・何度もメモを取るように指示したにもかかわらず、再三に亘って説明を聞き流し、散々同じミスを繰り返した従業員に対して、メモを取らない理由を問い質したところ、「メモを取るより聞いた方が早いから」などと言われた場合は、その従業員の配置転換を視野に入れた方が業務の効率が改善する可能性があります。
・ゲリラ豪雨に見舞われてタクシー会社に電話しようとしたところ、背後から脇見運転の自転車にぶつかられてスマホが水たまりに水没するなど、散々な目に遭う可能性が皆無とは言い切れない為、天気予報はこまめに確認しましょう。
「再三」と「何度も」と「散々」の違い
「再三」は、二度も三度もの繰り返しの意の言葉で、更に繰り返しの意味を強調する「再三再四」と言う言葉もあります。
「何度も」は、回数を問う語の「何度」に助詞の「も」を付け、回数を重ねる繰り返しの意の言葉です。
「散々」は、そこに何も残らずちりじりになる様子を表す言葉で、そこから、容赦なく激しい様子や、甚だ惨めな様子を表す単語です。
まとめ
いずれも、同じ行動が累積するタイプの単語で、状況によっては、語る側のうんざりした気持ちが含まれます。
職場や学校、家庭などで「同じ説明を散々しましたよね」などと言われた場合は、「同じことを何度も言わせるな」と言う怒りを含んだ表現なので、メモを取るなどして、他人の手を煩わせないように工夫しましょう。