「実行」と「実施」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「実行」と「実施」の違い生活・教育

この記事では、「実行」「実施」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「実行」と「実施」の違い

「実行」とは、論理や説明ではなく行動をすることです。

「実施」とは、論理や説明ではなく行動をすることです。

2つの言葉が持っている意味はほぼ同じになります。

違いは、「実行」は考えていたことや計画などを行うこと、「実施」は計画、制度、法律、規則、イベントなどを行うことという点です。

何を行うのかという点が違います。

たとえば、1週間後に旅行をしようと考えていたとします。

旅行をするために、交通手段はどうするか、どこに泊まるのか、何を食べるか、どこを見るのかなど考えました。

頭の中だけで考えていては、「実行」でも「実施」でもありません。

考えていたものを、行動に移すことを意味する言葉です。

この場合は、どちらの言葉にもあてはまる意味になります。

ある条例が決まり、○月○日から行われることになりました。

これは「実施」になります。


「実行」と「実施」の使い方の違い

どちらの言葉も、理論や説明ではなく行動することという意味で使用されます。

ただし、使われる場面に違いがあります。

考えていたことや計画していたことを行動に移すことは、どちらの言葉も使用できます。

法律や規則については、「実施」を使用します。

たとえば、ある区間でタバコを吸ったら罰金を支払う必要があるなど、計画の段階ではなく、実際行うことなどをいいます。


「実行」と「実施」の英語表記の違い

「実行」は英語で“practice”“action”と表現をします。

「実施」は英語で“enforcement”と表現をします。

「実行」の意味

「実行」とは、理論や説明ではなく、実際に行動をすることです。

考えていたことや計画を行うことを意味します。

たとえば、ダイエットをしようと計画していたとします。

ダイエットするために、間食は控える、毎日一駅分歩く、1日1回体重計に乗って記録をする、夕食は午後8時までに済ませるなど計画しました。

この段階では、まだ「実行」ではありません。

計画であり、行動には移されていないからです。

実際に、間食を控えた、一駅分歩いた、毎日体重計に乗って記録をつけたなどしたら、「実行」したということができます。

夜眠れないと悩んでいる人は少なくないようです。

寝つきをよくするためには、就寝2時間前からテレビ・パソコン・スマホなどの画面を見ないようにする、リラックスできることをする、ラベンダーの香りを嗅ぐ、ぬるめのお湯につかるなどするとよいとされています。

知っていても実際にやらなければ「実行」ではありません。

眠る前にラベンダ―の香りを嗅いだ、ぬるめのお湯に使ってみたなどすれば、「実行」したということができます。

考えているだけでなく、実際にやってみることを意味する言葉です。

「実行」の使い方

考えていたことや計画を行動に移すことについて使用をします。

考えている段階、計画を立てている段階のことではありません。

法律や規則については、使わないことが一般的です。

また、親孝行など倫理的なものにもあまり使用しません。

日常生活の中のさまざまな場面で使用可能です。

たとえば、冷蔵庫に油汚れが付着していて気になっていたとします。

どうしたらきれいに汚れを落とせるか調べてみて、知ったことを実際にやってみました。

このことを指して使用することができます。

クローゼットの中がいっぱいだから、要らないものを捨てようと考えたとします。

考えているだけでは「実行」ではありません。

実際に要らないものをゴミ袋に入れて、ゴミ収集場所に持って行けば「実行」したということができます。

「実行」を使った例文

・『夕食は早い時間に済ませることを実行した』
・『まだ実行していなかったのですか』
・『いつ実行しようか考えているところです』
・『細かなところまで考えてから実行する』

「実行」の類語

「実施」「実践」が類語です。

「実践」には、理論や徳を実際に行うという意味があります。

「実行」の対義語

まだやっていないという意味で「計画」が対義語です。

「実施」の意味

「実施」とは、イベント・計画・規則・法律などを、理論や説明ではなく実際にやることです。

個人がバックやアクセサリーなどを作っていたとします。

この人が作っているものは、売れるほどの出来栄えです。

その作品を見た友人が、「売ってみたらどう」と勧めました。

そして、実際に作ったバックやアクセサリーを売ることにしました。

これは「販売を実施する」ということができます。

ある道路では、ある期間だけ特に速度違反を厳格に取り締まることにしました。

そして、実際にある期間に道路に警察官が立ち、速度違反をしていないか調べました。

これも「実施」ということができます。

ある飲食店では、特別に割引キャンペーンを行うことになりました。

こういったことも意味します。

ある人たちを対象にアンケートをとることにしました。

アンケートサイトに登録している人を対象に、アンケートを送り、解答をしてもらいます。

これはアンケートをとるという行動を実際にやっていることになります。

「実施」の使い方

理論や説明ではなく、実際にやってみることについて使用をします。

法律・規則・イベント・計画など、幅広いことに使用できます。

日常生活の中のさまざまな場面で使用可能です。

特にイベントについて使われることが多くあります。

イベントの告知で「実施」という言葉が使われていることは少なくありません。

しかし、親孝行のような論理的なことには使用しないことが一般的です。

「親孝行を実施する」というと違和感があります。

「実施」を使った例文

・『実施期間は1週間です』
・『アンケートを実施しました』
・『オンラインで実施しています』
・『12月に実施する予定です』

「実施」の類語

「実行」「実践」が類語です。

「実施」の対義語

まだやっていないという意味で「計画」が対義語です。

まとめ

理論や説明ではなく、行動をすることという意味を持つ2つの言葉です。

意味はほぼ同じなのですが、使われる場面に違うところがあります。