「取得」と「合格」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「取得」と「合格」の違い生活・教育

この記事では、「取得」「合格」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「取得」と「合格」の違い

「取得」とは、何かを自分のものにすることです。

「合格」には、2つの意味があります。

1つめは、ある条件や資格にあてはまることです。

もう一つは、試験や検査などの一定の条件を満たすことです。

「取得」というと、試験に「合格」して資格を取るという意味であると認識している人もいることでしょう。

何かを手に入れることを意味する言葉で、特に資格を手にすることを意味しています。

しかし、「合格」とは意味が異なります。

「取得」の場合は、入手という意味合いになり、「合格」の場合は、試験を通過したといった意味合いになります。

「合格」をしたからといって、必ずしも資格を手にできるわけではありません。

たとえば、一次試験、二次試験とある場合は、一次試験の条件を満たすことができても、二次試験の条件を満たすことができなければ、資格を得ることはできません。

また、「合格」にはある条件にぴったりあっているという意味もあり、これは製品がある基準を満たしているといった意味になります。

この意味は「取得」にはありません。


「取得」と「合格」の使い方の違い

自分のものとすることについて「取得」を使用します。

特に資格や権利などについていいます。

ある条件にぴったりとあっていることや、試験や検査に受かることについて「合格」を使用します。


「取得」と「合格」の英語表記の違い

「取得」は英語で“acquisition”と表現をします。

「合格」は英語で、ある条件や資格を満たす意味では“come up to the standard”“pass inspection”と表現をし、試験については“pass an examination”と表現をします。

「取得」の意味

「取得」とは、何かを入手することです。

運転免許証をとることで考えてみます。

運転免許証をとるために、指定自動車教習所に通うことが一般的です。

指定自動車教習所で交通ルールを学んだり、運転技術を身につけたりします。

しかし、これだけでは運転免許証を自分のものにすることはできません。

運転免許証を自分のものとするためには、技能試験と学科試験の決められている基準を満たす必要があります。

この試験を通過することができれば、運転免許証が自分のものとなります。

このようなことを意味する言葉です。

気象予報士のことで考えてみます。

気象予報士になるには、資格が必要です。

気象予報士試験で一定の点数を得ることができると、資格を自分のものにできます。

試験には、学科試験と実技試験があります。

学科試験では、大気の構造、降水過程、短期予報、長期予報などの知識が問われます。

実技試験では、台風等緊急時における対応などがあります。

これらの試験には、何点以上をとったら試験を通過したことになりますよ、という点数が決められていて、その条件を満たすことができれば、資格を自分のものにできます。

「取得」の使い方

何かを入手することについて使用をします。

特に資格や権利についてをいいます。

運転免許証や気象予報士などは資格です。

その他にもさまざまな資格が存在し、それらを手にすることにも使用可能です。

権利については、ビザ、土地、建物などを手にすることについて使われます。

「取得」を使った例文

・『資格を取得したことを報告した』
・『資格の取得に向けて勉強中です』
・『取得までまだ時間がかかりそうだ』
・『今年中に取得することを目標にしています』

「取得」の類語

「獲得」が類語です。

手に入れることという意味があり、特に努力して手に入れることをいいます。

「取得」の対義語

取り上げられてしまう意味で「奪う」です。

「合格」の意味

「合格」には、2つの意味があります。

1つめは、資格や条件などにぴったりとあうことです。

製品には、それぞれある一定の基準が設けられています。

たとえば、清涼飲料水なら大腸菌群が陰性でなければならない、沈殿物や固形の異物があってはならないなど決められています。

これらの基準を満たすことができた場合、「合格」ということができます。

もう一つの意味は、学校に入りたい人や資格を取りたい人などが、問題を解いたり、実技をしたりして、ある一定基準を満たすこと、異常のある・なし、適不適などを調べて、ある基準を満たすことです。

高校に入ることで考えてみます。

高校に入るためには、試験を受けることが一般的です。

試験には、筆記と面接があります。

筆記試験では、このくらいの点数をとって欲しいという、学校側が決めた基準があります。

また、面接では試験官が受験者に質問をして、回答内容から受験者の能力などを判断します。

このくらいの能力があれば、わが校に入れてもいいだろうという基準があり、その基準を満たした場合を「合格」といいます。

「合格」の使い方

ある基準を満たしたり、条件にぴったりあうことについて使用をします。

試験や検査について使用されることが多い言葉です。

たとえば資格試験の場合だと、80点以上をとることなど基準があります。

この基準を満たした場合に使える言葉です。

80点以下など基準を満たしていない場合には使用できません。

「合格」を使った例文

・『合格するために猛勉強をする』
・『合格できるか心配で夜も眠れない』
・『合格の知らせを聞いて喜んだ』
・『合格通知が自宅に届いた』

「合格」の類語

「パス」「及第」「受かる」が類語です。

「パス」には、通過するという意味があります。

「及第」は、特に次の学年に進むための資格を得ることについて使用します。

「受かる」には、試験などに合格するという意味があります。

「合格」の対義語

「落ちる」「落第」が対義語です。

一定条件を満たしておらず、認められないという意味があります。

まとめ

試験に「合格」をして、資格を「取得」したなど、同じような場面で使われる言葉ですが、意味は違います。

「取得」は得ること、「合格」は条件を満たすことです。

使われる場面が似ていても意味は違う2つの言葉です。