この記事では、「相変わらず」と「変わらず」の違いを分かりやすく説明していきます。
「相変わらず」とは?
「相変わらず」とはそれまでと今で状況や状態が変わっていないことを指す言葉です。
以前と同様の有様であったり、いつもどおりの様子が「相変わらず」と言えます。
この以前と言うのは時間の経過が重要視され、何かの出来事が起きる前と後で変化がないということは「相変わらず」とは言いません。
知らない間に変化が起こっていてもおかしくないような時間が経過している上で、その時間が経過する前と現在とで様子が変わっていないという場合だけ「相変わらず」と言われます。
以前がどうだったかと現在を比べて、以前と違いがないということなので、当然以前の状態を知らなければ「相変わらず」と言うことはできません。
「変わらず」とは?
「変わらず」とは変化がないことを指します。
どういう状態から変化が起きていないかという条件はなく、長い月日が経った上で時間が経つ前と変わっていなくても「変わらず」ですし、何かしらの出来事があって、その出来事が起こる前という直近の状態と比較して変化がないことも「変わらず」です。
どのような状態から、いつの状況から変化がないかを指定していない分、どのタイミングと比較して変化がないことを表現したい場合に高い汎用性で使えますが、その分「変わらず」という言葉単体で何時と比べて変化がないのかを指すことができません。
そのため変化のあるなしを判断するための比較対象を指定する言葉と併用されたり、手紙における時節の挨拶のように定型文的な使い方をされることが多いです。
「相変わらず」と「変わらず」の違い
「相変わらず」と「変わらず」の違いを、分かりやすく解説します。
月日が経つ前と比べて状態や状況が変わらないことが「相変わらず」で、状態や状況が変わらないことが「変わらず」です。
「相変わらず」はある程度月日が経つ前と比較した場合にしか使えませんが、「変わらず」は月日が経つ前と比較することにも、直近の状態と比べて変化がない場合にも使えます。
また「相変わらず」は何時と比べて変化がないかも付け加えられているので、単体で使える言葉です。
しかし「変わらず」は何と比べて変わっていないかを示す言葉と一緒に使われます。
言葉としては「変わらず」が先にあり、それから使い所を限定する代わりに単体で使えるように派生して作られた言葉が「相変わらず」と言えるでしょう。
まとめ
変化がないことを指す「変わらず」という言葉が先にあり、それを軸に一つの言葉だけで何時と比べて変化がないと表現できるように生まれた言葉が「相変わらず」です。
「変わらず」は定型文に使われることもままあるので、手紙の挨拶などではほぼ同じ文章で「変わらず」が使われる場合も「相変わらず」が使われる場合もあるせいで混同されます。
他の言葉とあわせればフレキシブルに使える言葉が「変わらず」で、比べる対象が限定されても単体で使えるのが「相変わらず」だと思っておきましょう。