空を飛んだり水に浮いたりを表す言葉に「飛翔」と「飛行」と「浮遊」というものがあります。
これらの言葉にはどういった違いがあるのでしょうか。
この記事では、「飛翔」と「飛行」と「浮遊」の違いを分かりやすく説明していきます。
「飛翔」【ひしょう】とは?
「飛翔」とは空中を飛びかけることを意味しており、英語では“flight”と表記しています。
一般的に鳥や昆虫などの生物が空を飛ぶことを表現する時に使われることが多い言葉です。
「飛」の文字にさらに「翔」という文字を組み合わせて言葉が作られており、明確な目的地なく、空を飛ぶこと自体を主な目的としたものを「飛翔」と言います。
「飛翔」の例文
・『オオタカが見事な飛翔を見せた』
・『第三国から発射されたものと思われる飛翔体を確認した』
「飛行」【ひこう】とは?
「飛行」とは、空中を飛んでいくことを意味しており、英語では「飛翔」と同じく“flight”と表記しています。
英語でも同じく表記していることからもわかるように、意味合いとしては「飛翔」と同じような言葉として扱われています。
ですが、日本語では使われている文字が違うこともあり傾向としての違いがあります。
「飛行」は一般的に、明確な目的地をもってそこに行くことが主な目的で飛んでいるものに使われることが多い言葉です。
必然的に人工的な乗り物に対して使われることが多くなります。
「飛行」の例文
・『ニューヨークまでの飛行時間は10時間以上だ』
・『飛行に乗ったことがないなんて誰にも言えない』
「浮遊」【ふゆう】とは?
「浮遊」とは、浮いて漂うことを意味しており、英語では“float”と表記します。
一般的には水中水上を明確な目的地なく浮いて漂うことを表現する時に使われることが多い言葉です。
もし水中水上ではなく空中の場合は、「空中浮遊」などと言ったりします。
「飛翔」でも、「飛ぶこと」という目的がありましたが「浮遊」では特に目的はありません。
「浮遊」の例文
・『ジンベイザメは、プランクトンのような浮遊生物を食料としている』
・『クラゲが大量に浮遊している』
「飛翔」と「飛行」と「浮遊」の違い
「飛翔」と「飛行」と「浮遊」の違いを説明します。
「飛翔」とは、「飛ぶこと自体が目的で空中を飛んでいること」を指します。
空中で、目的が飛ぶことというのが特徴です。
「飛行」とは、「目的地に行くことが目的で空中を飛んでいること」を指します。
空中で、目的がそこに行くことというのが特徴です。
「浮遊」とは、「目的なく水中水上に浮いて漂うこと」を指しています。
水中水上で、目的なく浮いていることが特徴です。
まとめ
「飛翔」と「飛行」と「浮遊」の違いについて説明してきましたが、ご理解いただけましたでしょうか。
普段何気なく目にするものでも、よく考えてみると意味をあやふやに覚えているものも少なくありません。
この記事をきっかけに、言葉の意味などを考えて直してみるのも面白いかもしれません。