この記事では、「理解」と「受容」と「許容」の違いを分かりやすく説明していきます。
この3語は寛大な処置や寛容を示す場合に使われる言葉ですが、実はこの内2つは厳密には許すことではありません。
以下の記事に詳細を記載しておりますので、参考にしていただけますと幸いです。
「理解」とは?
「理解」とは、筋道や意味がわかること、他人の心情や立場を慮ることです。
前者の意味としては物事の筋道や内容が正しくわかり、人に説明できる状態になること、応用して活用できる状態になることや言い換えて表現できる状態になることを指します。
後者としては人の気持ちに寄り添って考え、相手ならばどう行動するか、どのように受け止めるかを推察し、相手の心情を慮ることを指します。
なお、本来「理解」は上記のように「わかること」、「気持ちを推察すること」を指しますが、相手に対し、後述の「許容」を申し出る際にも使う場合があります。
用例としては「数学の公式を完璧に理解した」、「今回はご要望にはお応えできませんが、どうぞご理解ください」などになります。
「受容」とは?
「受容」とは、ありのまま「受け入れる」ことです。
主に人の存在や意見、感情などを認めて尊重する場合に使用し、相手の存在や意見、感情をありのまま受け入れる様を指します。
ありのままというのは相手を否定、評価しないということです。
なお、「受容」は上記のように「否定や評価せず」、「受け入れる」ことですが、相手の言動を全て許容、同意するわけではありません。
相手の存在や意見、感情を良くも悪くも変化させずに受け入れるということです。
その他、化学や物理学である物質が他の物質を受け入れることを指す場合も「受容」と言います。
用例としては「彼の人格を受容できるよう努力するつもりだ」、「この物質は光を受容する」などになります。
「許容」とは?
「許容」とは、あるところまでは良いとして認めること、大目に見ることです。
主に厳密な規定では悪いものや違反となるものを良いとして「許し、認める」ことを指します。
ニュアンスとしては「決して歓迎できるものではないが、なんとか許せる」といったものです。
用例としては「そのくらいなら許容範囲だろう」、「30%の値上げでは許容の範囲を超えている」などになります。
「理解」と「受容」と「許容」の違い
まず、「許容」は特定の事柄についてある程度まで「許し、認める」ことですが、「理解」と「受容」は厳密には許すことではない点が違います。
次に「理解」と「受容」の違いについては、「理解」は「わかること」、「気持ちを推察すること」ですが、「受容」は相手を「否定や評価せず」、「受け入れる」ことである点が違います。
まとめ
「理解」と「受容」と「許容」についてまとめると以下となります。
・「理解」は説明が可能などのように「わかること」、また、相手の立場になって「気持ちを推察する」ことです。
・「受容」は相手の存在や意見、感情を「否定や評価せず」、「受け入れる」ことです。
・「許容」は特定の事柄についてある程度まで「許し、認める」ことです。