「条例」と「規則」と「要綱」の違いとは?分かりやすく解釈

「条例」と「規則」と「要綱」の違い生活・教育

公式の場面で使用される言葉の多くは、普段一般的な意味で使用する時とは違った、明確な意味が定められていることがあります。

そのような時には、感覚的な意味で捉えようとすると間違ってしまうため、注意する必要があります。

例えば、「条例」「規則」「要綱」という言葉ですが、例えば「条例」と聞くと、何かの法律であろうと曖昧な捉え方をしてしまいますが、実はこの3つの間には明確な区別が存在しています。

この記事では、「条例」「規則」「要綱」の違いを分かりやすく説明していきます。

「条例」とは?

「条例」とは、「日米安全保障条約」という使われ方をするように、元々は文字通りの「箇条書きにした法令」という意味で使われることが多い言葉でしたが、現在では、「地方自治体の議会で決められた法令」のことを指すものとして使われる言葉です。

「条例」は国の法律に反しないように決められる必要があります。


「規則」とは?

「規則」とは、もっとも広義の意味としては、「決まり事」全てを指す言葉です。

「ルール」と言っても良いでしょう。

しかし、法律的な用語として使用される場合には、「地方自治体の長が制定した法令」のことを指します。

この意味で使用される場合には、その「規則」は地方自治体の内部においては守るべき法令となります。


「要綱」とは?

「要綱」とは、広義においては「大事な事柄をまとめたもの」という意味です。

この意味では、「会の運動方針要綱」のように日常的に使用されることもあります。

しかし、法律的なシチュエーションにおいては、公に制定された「条例」などの規則ではなく、地方自治体などの「行政機関内の内部でのみ使用される決まり」のことを示す言葉です。

また、場合によっては、「要項」と同じ意味で使用されることもあるので注意が必要です。

「条例」と「規則」と「要綱」の違い

「条例」「規則」「要綱」の違いを、分かりやすく解説します。

この3つは全て、「決まり事」なのですが、成り立ちが全く違います。

特に、地方自治体の立法、行政での呼び方には明確な区別があります。

「条例」は、地方自治体が議会の議決によって制定したもの、「規則」は、地方自治体の長(県知事や市長など)が自身の権限で制定したもの、そして、「要綱」は行政機関の内部で決められたもので、公には効力が無いものです。

まとめ

この記事では、「条例」「規則」「要綱」の違いを説明してきました。

ここまでの中で、この3つの言葉は、正式な文書や場面で使用される時には明確な区別がなされるということに関しても述べてきましたが、このような性質を持つ言葉は他にもたくさんあります。

例えば「収容」という言葉は、一般的には人が施設に入るという意味しかありませんが、法律用語として使用される場合には、「実刑が決まった受刑者が刑事施設に入る」という意味になります。

このような言葉に関して使用するシチュエーションを熟慮する必要があります。