私たちが何気なく使っている言葉の中には同じ発音をしていても全く意味が異なるものがたくさんあります。
例えば「移す」「写す」「映す」などは「うつす」と読みますが、その解釈はかなり違います。
そこでこの記事では、「移す」と「写す」と「映す」の違いを分かりやすく説明していきます。
「移す」とは?
「移す」とは「ものを動かして、もとの場所とは違うところに置くこと」という意味があるのですが、この他にも「地位を他に変える」、あるいは「配置替えをする」と言ったような意味も持っています。
また、ここから転じて「視線や心を他に変える」という解釈もできる言葉です。
「移す」の例文
「移す」の例文は次のようなものになります。
・『デスクを窓の近くに移して仕事をしている時でも気分転換ができるようにしたのです。だってずっと在宅ワークが続くものですから』
・『課長はこれまで部下に対して数々のパワハラをやってきたために、何も仕事がない部署に移されたのです。これでチーム内は明るく活気に満ちた部署に生まれ変わりましたね』
「写す」とは?
「写す」は「文字・文書・絵などのオリジナルのものを見ながら、それに似せたり、その通りに他に書き取ること」を指している言葉です。
簡単に表現すると、「転写する」「模写する」という言い方もできます。
この他には「見聞きしたものを絵や文章に書く」という意味でも使われます。
「写す」の例文
「写す」の例文は以下のようなものが挙げられます。
・『私の可愛い娘を写真に写して思い出のアルバムにしよう』
・『お前、田中君の答案をこっそり写していただろう?それってすごくズルいことなんだぞ』
「映す」とは
「映す」とは「水面・鏡などに姿・形が現れるようにすること」「映画・スライドなどで映像をスクリーンの上に表示させること」などの意味を持つ言葉です。
「映す」の例文
. 「映す」の例文には以下のようなものがあります。
・『壮麗な歴史的建造物が湖面にそのす姿を映し出していたのですが、とても歴史のあるものだと見入ってしまったのです』
・『スクリーンには県内のように有名な観光スポットが見事に移し出されました。その光景はまるで本当にそこに訪れたような感じでした』
「移す」と「写す」と「映す」の違い
では、ここで「移す」と「写す」と「映す」の違いを見ていきましょう。
「移す」は「ヒト・モノ・コトを別の場所・状態に動かすこと」という解釈になります。
また、時間が変化する際にも使われることがあり、「時を移さず行動する」という理解もできるのです。
「写す」は「もとの姿・形をその通りに、あるいは似せて絵・文字・画像などで表すこと」という意味。
この他に形のないものを見たり聞いたりしたことを言葉や絵で表す時でも「当時の世相を写し出す」といった意味で使われることがあります。
「映す」は「光の反射により水面や壁などの上に姿や形を現わすこと」という解釈になります。
まとめ
ここまで「移す」と「写す」と「映す」の違いを説明書してきました。
が、かなり意味が異なっています。
ここで意味をしっかりと確認しておきましょう。