使い分けの難しい日本語の中で「周囲」と「周り」と「周辺」という言葉があります。
自分と近い場所のことであることは分かりますが、三つの違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「周囲」と「周り」と「周辺」の違いを分かりやすく説明していきます。
「周囲」【しゅうい】とは?
「周囲」とは、ある物を円状に囲うようにした範囲のことを指しています。
次に説明しますが「周り」も、ある物を囲うようにした範囲のことですが、「周り」は必ずしも隙間なく取り囲んでいるとは限りません。
「周囲」には、「囲う」という文字が入っており隙間なくぐるり囲まれているイメージです。
土星のリングを想像するとわかりやすいかもしれません。
「周囲」の例文
・『土星の周囲には岩石や宇宙塵で出来たリングがあります』
・『銀行強盗のあった店舗の周囲に機動部隊を配置する』
「周り」【まわり】とは?
「周り」とは、ある物を囲うようにした範囲のことを指します。
先にも説明しましたが、「周り」は必ずしも隙間なく取り囲んでいるとは限りません。
たとえば、「自分の周囲を見る」ということは、自分の周りをぐるり一周まんべんなく見ること。
「自分の周りを見る」ということは、自分の周囲の範囲を一か所でもいいから見るということです。
もちろん、まんべんなく見ても「周り」を見たことになります。
「周り」の例文
・『社長が見回りにくるから机の周りを片付けておいて下さい』
・『いまの自分の周りには敵しかいない』
「周辺」【しゅうへん】とは?
「周辺」とは、ある物を取り巻いている辺りのことを指しています。
必ずしも円状に取り巻いているというものではなく、ある物と周りや近い場所にある範囲のことを意味しています。
文字通り、周りの辺りということです。
ですから、「周囲」も「周り」も「周辺」の中に含まれるものということになります。
どのくらいの距離までを「周辺」と呼ぶかは人によっていろいろですが、比較的広範囲のことを「周辺」とすることが多いです。
「周辺」の例文
・『容疑者が逃走したので、周辺の地域に注意を呼び掛けた』
・『どこまでを周辺と呼ぶかは個人差があります』
「周囲」と「周り」と「周辺」の違い
「周囲」と「周り」と「周辺」の違いについて説明すると以下になります。
「周囲」とは、「ある物を円状に囲うようにした範囲」のことを指しています。
ぐるり一周取り囲んでいるイメージです。
「周り」とは、「ある物を囲うようにした範囲」のことを指しています。
必ずしもぐるり一周でなくても「周り」となります。
「周辺」とは、「ある物を取り巻いている辺り」のことを指しています。
たとえ円状ではなくても、その物に近しい範囲の時に使います。
まとめ
「周囲」と「周り」と「周辺」について説明してきましたが違いがわかりましたでしょうか。
同じように思える言葉でも微妙な違いがありました。
この記事の内容が、皆さんの生活のお役に立てるなら幸いです。